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妻を影で虐めていた母と妹を天誅

シニアの話シニアの馴れ初めチャンネル様
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俺の名前は篠原浩太50代です。俺は両親と妻、そして妹の5人で暮らしていました。数年前までは娘も一緒に暮らしていましたが大学を卒業して就職した際に家を出たのです。普通に考えれば両親と俺と妻の4人暮らしならわかるけどなぜ妹もいるのかと不思議な人もいるでしょう。

結論から言えば妹に頼みこまれてしまったからです。同居をする際に二世帯住宅を建てたのですが、その頃に離婚をした妹が「しばらくしたら出て行くから住まわせてほしい」と言ってきたのです。離婚したばかりだったので見捨てることもできず、しばらくなら、ということで俺も妻も了承したのですがまさかその「しばらく」が20年ほどになるとは夢にも思っていませんでした。最初は両親も「早く家を見つけなさいよ」と言っていたのですが、年月が経てば経つほど「今さら追い出すのも可哀想」という考えに変わってしまったのです。

俺だけは妹に早く出て行くように言っていたのですが「そのうちね」と言い続け、結局20年ほど一緒に暮らし続けることになりました。妻は「大丈夫だよ」と言ってくれていますが、ただでさえ俺の両親と同居をして気を張り詰めさせているのに、そこに小姑まで加わっては精神的な疲弊は俺の想像よりもはるかにひどかったでしょう。

家を出る時に「お父さんはいい加減叔母さんを追い出すべき。お母さんの苦労すごいんだから」と言っていました。恐らく俺には言えないことも娘には話していたのではないでしょうか。だけど、ここまで一緒に暮らした期間が長いとどうやって追い出せばいいのかということで頭を悩ませてしまいます。どんな理由を用意したとしても「今さらそんなことを言われても」と言うに決まっています。だけどこのまま妹と一緒に暮らしていれば最悪の可能性もあります。例えば、妹の方が先に介護が必要になった場合、俺や妻に押し付けるつもりではないのか、と。

同居を了承してくれた時点で、妻は俺の両親の介護は覚悟していると言ってくれました。だけどそこに妹の名前はありません。普通に考えて俺の妻が妹の介護をすることなんてあってはいけないし、それこそ異常な関係になってしまいます。だけど、両親も既に妹を受け入れている部分があるので追い出すとなったら反対をしてくるかもしれません。そこをどうやってクリアするべきかと考えていた時、夜中だというのにリビングから声が聞こえてきました。

そおっと気づかれないようにリビング近くまで行くと、母と妹が話している声のようです。盗み聞きをするのは良くないと思って部屋に戻ろうとしたけど、聞こえてきた内容にとても穏やかではいられなくなったのです。

「今の話はどういうことだよ!」

「お、お兄ちゃん!?」

「浩太、あんた人の話を盗み聞きなんて」

「そんなことはどうでもいい。今ふたりで嫁を追い出す話をしていただろう!」

そう、母と妹が話していたのは妻を追い出す話でした。バレては仕方ないと言った感じで母が話し始めたのは妻に対する愚痴のようなものです。だけどはっきり言って母が妻に対して愚痴を言う資格なんてありません。仕事をしながらも家事をほとんど引き受けていたのは妻だからです。同居の際に家事は母もするという約束だったのに、それが守られなくなっても妻は文句を言いませんでした。それなのに頑張ってくれている妻に対して母は文句ばかり言います。妹だって家事などは一切せず、わずかな生活費を入れるだけで好き勝手に暮らしていました。妻は俺の家族だからと大事に想ってくれていたはずなのですが、俺の母や妹は妻を大事にしてくれません。それなら、もう1つしか方法はないでしょう。

「同居を解消する」

俺の言葉に母も妹も驚いたように言います。そりゃそうでしょうね。家のローンは残っていないとはいえ、生活費のほとんどは俺の給料から出ているからです。はっきり言って両親の年金や妹の収入だけではまともに生活なんてできないでしょう。切り詰めれば生活だけはできるかもしれませんが、これまで散財していた両親や妹にとって今さらお金を切り詰めるなんてことはできないでしょうし。

それから数日後。俺は賃貸ではありますが妻と暮らす家を探しました。娘にも話をしたのですが、どうやら母と妹が妻をいびっていたことは知っていたそうです。妻から何か聞いたわけではなく娘も何度も見かけていてそのたびに「やめてよ」と言っていたのだそうですが、聞く耳を持たなかったのだと言っていました。実の親と妹だから大丈夫だろうと考えていた俺の目だけが節穴だったようです。妻は「私は大丈夫だから」と言ってくれましたが、これまで守れなかった分、これからはしっかりと守りたいと思いました。

まぁ、当然反対してくるのは両親と妹です。これまでの妻に対する仕打ちを許せないと言っても「血のつながった家族を見捨てるのか」なんてわめいてきます。血のつながった家族だからと信用していた結果がこれだということに気づいていないのでしょう。引っ越しまで何度も引き止められましたが、俺は決して引きませんでした。そして両親や妹にとっては追い打ちかもしれませんが家を売りに出すことにしたのです。このことについてはさすがに父も黙っていられなかったようです。

「たったこれだけのことで大げさじゃないのか」

「父さんも知っていて黙っていたってことだよね。俺は両親や妹よりも妻や娘の方が大事なんだ。これまで俺は十分すぎるくらい親孝行はしただろ? 後は甘えまくっていた妹に何とかしてもらえよ」

家を売却した後、そのお金でマンションの1室を買いました。これまでは俺の両親や妹がいたせいで気が休まらなかった妻も少しは楽になってくれるといいのですが。娘にマンションのことを伝えると「まさかお父さんがそこまで思い切ったことをするなんて」と驚かれました。恐らく、娘にとっては妻のことを俺に伝えても意味がないだろうとでも思っていたのでしょうね。

その後、俺たち家族は円満に暮らしています。娘も家を出てから帰ってくることは少なかったのですがマンションに引っ越してからは頻繁に帰ってくるようになりました。恐らく俺の両親と妹がいるから帰りたくないと思っていたのでしょう。

両親と妹はアパートに引っ越したらしいのですが生活に困っていると聞きました。俺が生活費のほとんどを出していたおかげで自分たちの年金や収入は好きに使えていたのです。それがなくなって、負担しなければいけなくなれば一気に生活はたちいかなくなるでしょう。何度も俺に泣きついてきましたが、俺の大事な妻を追い出そうとした家族になんて未練はありません。同僚の中には俺のことを冷たいという人もいましたが、親孝行はこれまでにたっぷりとしたつもりです。これからは親や妹ではなく、自分の妻や娘、そして将来の孫にしっかりと寄り添い合いたいと思います。

ただ今すぐとはいかなくてもある程度気持ちが落ち着いたら両親には会ってもいいかもしれません。今はまだ許せない気持ちの方が強いのですが、いつかまた話ができればとは思っています。ただ、両親の考えが変わってくれないと無理ですけどね。今のように妻のことを悪く言ったり、これまでのことに感謝がない状態では何十年経っても会いたいとは思わないでしょう。両親の考えが変わってくれることを祈りながら、久しぶりの妻とのふたり生活を堪能したいと思います。

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