いつまでも若く

義両親~夫を亡くした私に・・・

夫を亡くして2カ月が経ったある日、同居している義両親から信じられない提案があった。「隆二と再婚してくれないか?」と、夫を癌で亡くして間もない私に、なんと夫の弟と再婚して欲しいと言ってきたのだ。私の名前は奈津美。結婚後、私は夫の実家に入り、義...
いつまでも若く

代理夫婦~レンタル妻~

今日は、いつもねちねちと馬鹿にするように絡んでくる取引先の社長との会食に、妻を同伴させていた。「いつも主人がお世話になっております」と麗子が優雅に微笑みながら頭を下げる。「あ、あぁ。こちらこそ和男くんにはお世話になっているよ。それにしても、...
いつまでも若く

趣味に合わせた「夫婦〇〇」

「やっぱ海でしょ」 「いいや山だね」また始まった、いつもの夫婦喧嘩。今日も日帰り旅行の行き先を巡って、桜と意見がぶつかっていた。海か山か、どちらも譲れない。食事の好みも同じだ。俺はお肉が食べたい、桜はお魚が食べたい。こんな些細なことでよくケ...
いつまでも若く

スワップの代償~熟年夫婦が選んだ道

「あなた、今までお世話になりました。」その一言が、心臓に氷の刃を突き立てられたかのような衝撃を与えた。妻の微笑みは最後の思い出として心に刻まれ、俺はその場に凍りついた。涙がこみ上げ、視界が滲んだ。足は鉛のように重く、まるで地面に吸い込まれる...
いつまでも若く

同窓会~30年ぶりの彼女

車のエンジン音が耳に響く中、俺の心臓はまるでハンマーで叩かれているかのように激しく鼓動していた。30年ぶりの同窓会。過去の影と向き合うその瞬間が迫っている。今まで何度か開催されていたそうだが、中学卒業と同時に家族で逃げるように大阪に出てきた...
いつまでも若く

初めての婚活アプリ~結婚馴れ初め

「純一さん、コーヒー淹れましたよー」 眩しい朝の光がリビングに差し込み、妻の微笑みと共に、豊かなコーヒーの香りが漂ってきた。その香りが心地よく、私は自然と微笑んでいた。こんな穏やかな時間が、自分に訪れるとは思いもしなかった。私は、この新しい...
禁断

昼顔~昼の妻・夜の妻

「美里さん、これからもお昼の間だけでも、一緒にいてほしい」と義父の清志が涙ぐみながら訴えた。その言葉の重さに、美里の心は揺れ、次の瞬間、彼女はそっと唇を重ねていた。 義父の世話をすることになったのは、夫の淳史からの頼みだった。淳史は大手企業...
スワッピング系

出戻り義姉~妻と入れ替わる?

「正樹さん、お風呂沸きましたよー」と桃子が声をかける。その声が静まり返った家に響いた。その瞬間、妻の目が鋭く光り、冷たい声で切り返した。「正樹は最後でいいのよ!最後にお風呂掃除してもらわないといけないんだから。」妻はそう言い、さっさと先にお...
禁断

陶芸家~息子の妻~

「お義父さん!できました!」夕日の赤に染まる工房の中、陽子の声が鮮やかに響き渡った。汗をかきながら、眩い笑顔で問いかける彼女の手には、成形したばかりのおちょこが握られていた。和夫はおちょこを受け取り、じっと見つめた。「あ、あぁ。なかなか良い...
画像集

画像集

スワッピング系

スワッピング~優しい友達~

『浩一さんを、今度私に貸してみて』――その突拍子もない言葉が、私の心臓を一瞬で凍らせた。午後の日差しが窓から差し込むリビングで、友人の幸子は真剣な顔でそう言ったのだ。私の名前は明美。30過ぎて結婚し、今ではもう40歳。子供が欲しいと思ってい...
純愛

夫婦円満の秘訣~夫婦べつべつ~

「それじゃ、行ってくるよ」夫が嬉しそうにあの人の所へ向かう。ドアの閉まる音が、静かな家に響いた。 「さて、私もそろそろ出ようかな」。こうして私たち夫婦は、日頃のストレスを発散するために定期的に別々に行動する日を作っている。その日は何をしてい...
誤解

熟年離婚~夫婦交換からの~

「あなた、今までお世話になりました」その一言が、まるで冷たい刃物のように俺の心臓を貫いた。妻の微笑みが最後に焼き付いた光景となり、俺はその場に立ち尽くしていた。目頭が熱くなり、足は重くて一歩も動けなかった。俺の名前は坂本隆一。今日、妻と離婚...
純愛

隣人~鬼の居ぬ間に~

「香織のいない間だけですよ!」敦子さんは、いたずらっぽい笑顔で俺の手を握った。その瞬間、心臓が一瞬止まりそうになった。彼女の温もりは、いつも冷たい妻とは違っていた。隣に住む敦子さんは、妻の香織と親友のような関係だ。妻が骨折し入院したため、敦...
純愛

家政婦~妻の入れ替え~

夜の静寂が部屋を包み込む中、窓の外では木々が風に揺れ、かすかな葉擦れの音が響いていた。「瑠衣さん、大変な思いをさせるかもしれない。だけど俺に着いてきてくれるかい?」と俺は問いかけた。彼女は潤んだ瞳でゆっくりと頷いた。今、目の前にいる女性は妻...
スワッピング系

初体験~スワッピング~

「本当にいいのか?」静まり返った部屋で、私は声を絞り出した。妻の顔を見つめながら、心のどこかで未だに信じられないと訴えかけている。「うん、仕方ないよ。私じゃ駄目なんだし」涙目の妻が了承する。 俺の名前は遠藤孝雄。どこにでもいるサラリーマンだ...
恐怖

マンション管理人~見られている~

(この人が犯人だ!私の部屋はすべて見られている――) 私は女性専用マンションに住んでいる。1階には管理人が住んでおり、セキュリティ重視の私にとってこの上ない物件だった。安全であることが何よりも重要だった。しかも相場よりも安い。まるで夢のよう...
スワッピング系

スワップ~馴れ初め~

うまく行くようになったきっかけは、思いがけない夫婦交換の提案からだった。 定年後、日々の単調なルーティンに閉ざされた生活の中で、妻との関係は日に日に悪化していった。朝の挨拶もそこそこに、些細なことで口論が始まる。「じゃあ、自分でやれば?」と...
背徳

団地妻~見られている~

昼下がり、向かいの団地に一際目を引く女性が住んでいる。おそらく三十代後半だろうと思われるが、彼女のことはまだほとんど何も知らない。向かいの団地の部屋から、たびたび彼女の姿が見える。彼女は俺が見ていることに気づいているはず、いや、確実に目が合...
スワッピング系

上司の嫁~夫婦交換~

金曜日の夜、いつものように飲みの席で上司が突然、重い口を開いた。「俺の嫁の相手をしてくれないか」この言葉に、私はビールが喉を通らなくなった。私の名前は近藤誠也。どこにでもいる平凡なサラリーマンだ。この上司とは、プライベートでも親しくしており...
いつまでも若く

義両親~夫を亡くした私に・・・

夫を亡くして2カ月が経ったある日、同居している義両親から信じられない提案があった。「隆二と再婚してくれないか?」と、夫を癌で亡くして間もない私に、なんと夫の弟と再婚して欲しいと言ってきたのだ。私の名前は奈津美。結婚後、私は夫の実家に入り、義...
いつまでも若く

代理夫婦~レンタル妻~

今日は、いつもねちねちと馬鹿にするように絡んでくる取引先の社長との会食に、妻を同伴させていた。「いつも主人がお世話になっております」と麗子が優雅に微笑みながら頭を下げる。「あ、あぁ。こちらこそ和男くんにはお世話になっているよ。それにしても、...
いつまでも若く

趣味に合わせた「夫婦〇〇」

「やっぱ海でしょ」 「いいや山だね」また始まった、いつもの夫婦喧嘩。今日も日帰り旅行の行き先を巡って、桜と意見がぶつかっていた。海か山か、どちらも譲れない。食事の好みも同じだ。俺はお肉が食べたい、桜はお魚が食べたい。こんな些細なことでよくケ...
いつまでも若く

スワップの代償~熟年夫婦が選んだ道

「あなた、今までお世話になりました。」その一言が、心臓に氷の刃を突き立てられたかのような衝撃を与えた。妻の微笑みは最後の思い出として心に刻まれ、俺はその場に凍りついた。涙がこみ上げ、視界が滲んだ。足は鉛のように重く、まるで地面に吸い込まれる...
いつまでも若く

同窓会~30年ぶりの彼女

車のエンジン音が耳に響く中、俺の心臓はまるでハンマーで叩かれているかのように激しく鼓動していた。30年ぶりの同窓会。過去の影と向き合うその瞬間が迫っている。今まで何度か開催されていたそうだが、中学卒業と同時に家族で逃げるように大阪に出てきた...
いつまでも若く

初めての婚活アプリ~結婚馴れ初め

「純一さん、コーヒー淹れましたよー」 眩しい朝の光がリビングに差し込み、妻の微笑みと共に、豊かなコーヒーの香りが漂ってきた。その香りが心地よく、私は自然と微笑んでいた。こんな穏やかな時間が、自分に訪れるとは思いもしなかった。私は、この新しい...
禁断

昼顔~昼の妻・夜の妻

「美里さん、これからもお昼の間だけでも、一緒にいてほしい」と義父の清志が涙ぐみながら訴えた。その言葉の重さに、美里の心は揺れ、次の瞬間、彼女はそっと唇を重ねていた。 義父の世話をすることになったのは、夫の淳史からの頼みだった。淳史は大手企業...
スワッピング系

出戻り義姉~妻と入れ替わる?

「正樹さん、お風呂沸きましたよー」と桃子が声をかける。その声が静まり返った家に響いた。その瞬間、妻の目が鋭く光り、冷たい声で切り返した。「正樹は最後でいいのよ!最後にお風呂掃除してもらわないといけないんだから。」妻はそう言い、さっさと先にお...
禁断

陶芸家~息子の妻~

「お義父さん!できました!」夕日の赤に染まる工房の中、陽子の声が鮮やかに響き渡った。汗をかきながら、眩い笑顔で問いかける彼女の手には、成形したばかりのおちょこが握られていた。和夫はおちょこを受け取り、じっと見つめた。「あ、あぁ。なかなか良い...
画像集

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スワッピング系

スワッピング~優しい友達~

『浩一さんを、今度私に貸してみて』――その突拍子もない言葉が、私の心臓を一瞬で凍らせた。午後の日差しが窓から差し込むリビングで、友人の幸子は真剣な顔でそう言ったのだ。私の名前は明美。30過ぎて結婚し、今ではもう40歳。子供が欲しいと思ってい...
純愛

夫婦円満の秘訣~夫婦べつべつ~

「それじゃ、行ってくるよ」夫が嬉しそうにあの人の所へ向かう。ドアの閉まる音が、静かな家に響いた。 「さて、私もそろそろ出ようかな」。こうして私たち夫婦は、日頃のストレスを発散するために定期的に別々に行動する日を作っている。その日は何をしてい...
誤解

熟年離婚~夫婦交換からの~

「あなた、今までお世話になりました」その一言が、まるで冷たい刃物のように俺の心臓を貫いた。妻の微笑みが最後に焼き付いた光景となり、俺はその場に立ち尽くしていた。目頭が熱くなり、足は重くて一歩も動けなかった。俺の名前は坂本隆一。今日、妻と離婚...
純愛

隣人~鬼の居ぬ間に~

「香織のいない間だけですよ!」敦子さんは、いたずらっぽい笑顔で俺の手を握った。その瞬間、心臓が一瞬止まりそうになった。彼女の温もりは、いつも冷たい妻とは違っていた。隣に住む敦子さんは、妻の香織と親友のような関係だ。妻が骨折し入院したため、敦...
純愛

家政婦~妻の入れ替え~

夜の静寂が部屋を包み込む中、窓の外では木々が風に揺れ、かすかな葉擦れの音が響いていた。「瑠衣さん、大変な思いをさせるかもしれない。だけど俺に着いてきてくれるかい?」と俺は問いかけた。彼女は潤んだ瞳でゆっくりと頷いた。今、目の前にいる女性は妻...
スワッピング系

初体験~スワッピング~

「本当にいいのか?」静まり返った部屋で、私は声を絞り出した。妻の顔を見つめながら、心のどこかで未だに信じられないと訴えかけている。「うん、仕方ないよ。私じゃ駄目なんだし」涙目の妻が了承する。 俺の名前は遠藤孝雄。どこにでもいるサラリーマンだ...
恐怖

マンション管理人~見られている~

(この人が犯人だ!私の部屋はすべて見られている――) 私は女性専用マンションに住んでいる。1階には管理人が住んでおり、セキュリティ重視の私にとってこの上ない物件だった。安全であることが何よりも重要だった。しかも相場よりも安い。まるで夢のよう...
スワッピング系

スワップ~馴れ初め~

うまく行くようになったきっかけは、思いがけない夫婦交換の提案からだった。 定年後、日々の単調なルーティンに閉ざされた生活の中で、妻との関係は日に日に悪化していった。朝の挨拶もそこそこに、些細なことで口論が始まる。「じゃあ、自分でやれば?」と...
背徳

団地妻~見られている~

昼下がり、向かいの団地に一際目を引く女性が住んでいる。おそらく三十代後半だろうと思われるが、彼女のことはまだほとんど何も知らない。向かいの団地の部屋から、たびたび彼女の姿が見える。彼女は俺が見ていることに気づいているはず、いや、確実に目が合...
スワッピング系

上司の嫁~夫婦交換~

金曜日の夜、いつものように飲みの席で上司が突然、重い口を開いた。「俺の嫁の相手をしてくれないか」この言葉に、私はビールが喉を通らなくなった。私の名前は近藤誠也。どこにでもいる平凡なサラリーマンだ。この上司とは、プライベートでも親しくしており...
太宰治

走れメロス 作:太宰治

メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐じゃちぼうぎゃくの王を除かなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮して来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。きょう未明メロスは村を...
芥川龍之介作品

父  作:芥川龍之介

自分が中学の四年生だった時の話である。 その年の秋、日光から足尾あしおへかけて、三泊の修学旅行があった。「午前六時三十分上野停車場前集合、同五十分発車……」こう云う箇条が、学校から渡す謄写版とうしゃばんの刷物すりものに書いてある。 当日にな...
芥川龍之介作品

運  作:芥川龍之介

目のあらい簾すだれが、入口にぶらさげてあるので、往来の容子ようすは仕事場にいても、よく見えた。清水きよみずへ通う往来は、さっきから、人通りが絶えない。金鼓こんくをかけた法師ほうしが通る。壺装束つぼしょうぞくをした女が通る。その後あとからは、...
芥川龍之介作品

西郷隆盛 作:芥川龍之介

これは自分より二三年前に、大学の史学科を卒業した本間ほんまさんの話である。本間さんが維新史に関する、二三興味ある論文の著者だと云う事は、知っている人も多いであろう。僕は昨年の冬鎌倉へ転居する、丁度一週間ばかり前に、本間さんと一しょに飯を食い...
太宰治

酒ぎらい 作:太宰治

二日つづけて酒を呑んだのである。おとといの晩と、きのうと、二日つづけて酒を呑んで、けさは仕事しなければならぬので早く起きて、台所へ顔を洗いに行き、ふと見ると、一升瓶が四本からになっている。二日で四升呑んだわけである。勿論もちろん、私ひとりで...
太宰治

川端康成へ 作:太宰治

あなたは文藝春秋九月号に私への悪口を書いて居られる。「前略。――なるほど、道化の華の方が作者の生活や文学観を一杯に盛っているが、私見によれば、作者目下の生活に厭いやな雲ありて、才能の素直に発せざる憾うらみあった。」 おたがいに下手な嘘はつか...
芥川龍之介作品

たね子の憂鬱   作:芥川龍之介

たね子は夫おっとの先輩に当るある実業家の令嬢の結婚披露式ひろうしきの通知を貰った時、ちょうど勤め先へ出かかった夫にこう熱心に話しかけた。「あたしも出なければ悪いでしょうか?」「それは悪いさ。」 夫はタイを結びながら、鏡の中のたね子に返事をし...
芥川龍之介作品

「羅生門」 作:芥川龍之介

ある日の暮方の事である。一人の下人げにんが、羅生門らしょうもんの下で雨やみを待っていた。 広い門の下には、この男のほかに誰もいない。ただ、所々丹塗にぬりの剥はげた、大きな円柱まるばしらに、蟋蟀きりぎりすが一匹とまっている。羅生門が、朱雀大路...
太宰治

「義務」 作:太宰治

義務の遂行とは、並たいていの事では無い。けれども、やらなければならぬ。なぜ生きてゐるか。なぜ文章を書くか。いまの私にとつて、それは義務の遂行の爲であります、と答へるより他は無い。金の爲に書いてゐるのでは無いやうだ。快樂の爲に生きてゐるのでも...
芥川龍之介作品

あばばばば  作:芥川龍之介

保吉やすきちはずつと以前からこの店の主人を見知つてゐる。 ずつと以前から、――或はあの海軍の学校へ赴任した当日だつたかも知れない。彼はふとこの店へマツチを一つ買ひにはひつた。店には小さい飾り窓があり、窓の中には大将旗を掲げた軍艦三笠みかさの...
芥川龍之介作品

或旧友へ送る手記 作:芥川龍之介

誰もまだ自殺者自身の心理をありのままに書いたものはない。それは自殺者の自尊心や或は彼自身に対する心理的興味の不足によるものであらう。僕は君に送る最後の手紙の中に、はつきりこの心理を伝へたいと思つてゐる。尤もつとも僕の自殺する動機は特に君に伝...
太宰治

待つ 作:太宰治

省線のその小さい駅に、私は毎日、人をお迎えにまいります。誰とも、わからぬ人を迎えに。 市場で買い物をして、その帰りには、かならず駅に立ち寄って駅の冷いベンチに腰をおろし、買い物籠を膝に乗せ、ぼんやり改札口を見ているのです。上り下りの電車がホ...
太宰治

嘘 作:太宰治

「戦争が終ったら、こんどはまた急に何々主義だの、何々主義だの、あさましく騒ぎまわって、演説なんかしているけれども、私は何一つ信用できない気持です。主義も、思想も、へったくれも要いらない。男は嘘うそをつく事をやめて、女は慾を捨てたら、それでも...
太宰治

ア、秋 作:太宰 治

本職の詩人ともなれば、いつどんな注文があるか、わからないから、常に詩材の準備をして置くのである。「秋について」という注文が来れば、よし来た、と「ア」の部の引き出しを開いて、愛、青、赤、アキ、いろいろのノオトがあって、そのうちの、あきの部のノ...
太宰治

リイズ 作:太宰 治

杉野君は、洋画家である。いや、洋画家と言っても、それを職業としているのでは無く、ただいい画をかきたいと毎日、苦心しているばかりの青年である。おそらくは未だ、一枚の画も、売れた事は無かろうし、また、展覧会にさえ、いちども入選した事は無いようで...
太宰治

桜桃 作:太宰 治

われ、山にむかいて、目を挙あぐ。――詩篇、第百二十一。 子供より親が大事、と思いたい。子供のために、などと古風な道学者みたいな事を殊勝らしく考えてみても、何、子供よりも、その親のほうが弱いのだ。少くとも、私の家庭においては、そうである。まさ...
太宰治

列車 :太宰 治

この作品は青空文庫()から取得しました。 一九二五年に梅鉢工場という所でこしらえられたC五一型のその機関車は、同じ工場で同じころ製作された三等客車三輛りょうと、食堂車、二等客車、二等寝台車、各々一輛ずつと、ほかに郵便やら荷物やらの貨車三輛と...
太宰治

返事 作:太宰 治

この作品は青空文庫()から取得しました。 拝復。長いお手紙をいただきました。 縁というのは、妙なものですね。(なんて、こんな事を言うと、非科学的だといって叱られるかしら。うるさい時代が過ぎて、二三日、ほっとしたと思ったら、また、うるさい時代...
芥川龍之介作品

蜘蛛の糸 作:芥川龍之介

一  ある日の事でございます。御釈迦様おしゃかさまは極楽の蓮池はすいけのふちを、独りでぶらぶら御歩きになっていらっしゃいました。池の中に咲いている蓮はすの花は、みんな玉のようにまっ白で、そのまん中にある金色きんいろの蕊ずいからは、何とも云え...
芥川龍之介作品

枯野抄  作:芥川龍之介

この作品は青空文庫()から取得しました。 丈艸ぢやうさう、去来きよらいを召し、昨夜目のあはざるまま、ふと案じ入りて、呑舟どんしうに書かせたり、おのおの咏じたまへ  旅に病むで夢は枯野をかけめぐる ――花屋日記――  元禄七年十月十二日の午後...
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