2025-04

いつまでも若く

慰め合い

「えっ、嘘だろ……」その日は、再就職をかけた大切な面接の日だった。時間に遅れぬよう、娘をベビーシッターさんに預け、スーツ姿で早めに家を出た。娘には「今日は大事な日だから、パパ頑張ってくるね」と言い残して。面接会場は、家から車で10分ほどの場...
シニアの恋愛は60歳からチャンネル様

見てしまった嫁の体

私の名前は大友幸三と申します。今年で70歳になりました。年齢のわりには元気なほうだと自負しておりましたが、数年前に足を手術してからというもの、杖を手放せない生活が続いております。外出もままならず、日々の買い物や掃除など、生活の細々したことが...
いつまでも若く

溜めていた思い

俺は兄貴の嫁に惹かれている…そんな感情を抱くなんて、俺は最低なのかもしれない。兄が亡くなって、もう二年が経つ。別れる準備などなく信じられないほどあっけなく、突然だった。俺にとって尊敬すべき兄は、この世からいなくなった。残された兄嫁の彩乃さん...
シニアの恋愛は60歳からチャンネル様

車の中の情事

私の名前は中田浩司と申します。今年で五十八歳になりまして、もうすぐ定年を迎える身です。身体のあちこちがギシギシとさび付いているのを感じるたびに、「ああ、歳を取ったなあ」としみじみ思います。もちろん仕事はまだ続けております。というか、辞めるわ...
いつまでも若く

汗ばんでいた体

一年前、俺の人生は突然終わったようなものだった。朝、何気なく見送った妻が、そのまま帰ってこなかったのだ。何の前触れもなく倒れ、病院に運ばれたと聞いたときも、俺はどこか他人事のようにしか受け止められなかった。まさか、あの明るい笑顔が、あの声が...
シニアの恋愛は60歳からチャンネル様

夫の目の前で

私の名前は太田小夜子。60歳、パートタイマーです。夫の康人さんは62歳で、2年前に定年退職しました。結婚してもうすぐ35年。子どもはふたり育て上げ、どちらも独立して家を出て行きました。いまは夫とふたりきりの、静かな毎日です。静かすぎて、とき...
いつまでも若く

妻の親友と

俺の名前は高城拓海。どこにでもいる、ごく普通の会社員だ。結婚して六年目。妻の歩花とは大学時代の同級生で、交際期間も含めると、もう十年以上一緒にいることになる。明るく、社交的で、どこにいても自然と人が集まるような女性だった。俺とは正反対の性格...
いつまでも若く

妻の代わり

「もう、帰ってこないから」そう言い残し、妻は家を出て行った。隣にいたのは、俺の知らない男。いや、正確には知っていた。妻のスマホに何度も通知を送ってきていた相手。問い詰めることすらできなかった。俺が声をかけた瞬間、妻はただ冷めた目で俺を見つめ...
シニアの恋愛は60歳からチャンネル様

あなた、ごめんなさい

私の名前は後藤公美子、もう57歳です。春の風というのは、不思議なものでございますね。花の香りや日差しのやわらかさよりも、私はなぜか、あのふとした「音」に季節の移ろいを感じることが多いのです。この朝もそうでした。窓際のレースのカーテンが、ふん...
シニアの恋愛は60歳からチャンネル様

急に求められても

私の名前は田中敏江、先日もう58歳になりました。夫が60歳で定年退職した日、私は少しだけ晴れやかな気持ちでした。会社帰りに小さな花束を持って帰ってきた夫は、どこか照れくさそうで、でもホッとしたような表情を浮かべていました。42年も朝早くから...
シニアの恋愛は60歳からチャンネル様

今でも良い女でいてくれて

私の名前は近藤浩美、今年で六十一歳になりました。名前だけを見れば、たいていの人は女性だと思うようです。実際、若い頃は電話に出るたび「奥様に変わってもらえますか」と言われて、いちいち訂正するのも面倒でした。そんな名前のせいで、ちょっとした運命...
シニアの恋愛は60歳からチャンネル様

声が漏れすぎるアパート

季節の変わり目というのは、年を重ねるほどに身体でわかるようになるものです。ほんの少し肌に触れる風の質が違うと、ああ、もうすぐ春だなとか、もう夏が来るんだなとか、言葉より先に肌が教えてくれるようになります。その年も、まさにそんな時期でした。妻...
いつまでも若く

隣の奥様

「……助けて……お願い……!」 夜遅く、俺の部屋のインターホンが激しく鳴った。  時計を見ると、深夜の一時を回っている。こんな時間に誰だ?「はいはいどなた?」訝しみながらドアを開けた瞬間、俺は息を呑んだ。そこに立っていたのは、隣に住む瑞穂さ...
シニアの恋愛は60歳からチャンネル様

体は正直者

寒い冬の午後、私は、人生で二度目の入院というものを経験しておりました。今回は、なんとも情けない理由でして、大雪の日に雪かきをしていたところ、屋根の上の雪に足を滑らせ、派手に転落したのです。頭は打たなかったのが幸いでしたが、両腕と肋骨数本の骨...
いつまでも若く

妻の母

俺には妻がいる。結婚して数年が経ち、普通の生活を送っていた。どこにでもあるような、平凡な日常。しかし、ある日を境に、俺の人生は大きく変わることになる。義母、妻の母親である彼女は、いつも家に遊びに来るたびに笑顔で迎えてくれる。穏やかで優しく、...
いつまでも若く

妻の親友

「ねえ、私たち……最初から間違ってたのかな?」彼女はそう言って、ふと寂しそうに笑った。リビングの隅で、冷めかけた紅茶の湯気が、静かに揺れていた。彼女の名前は美咲。妻の絵美の高校時代からの親友で、我が家には何度も遊びに来ていた。明るくて、よく...
シニアの恋愛は60歳からチャンネル様

息子のおかげで春

「母さん、再婚しなよ」――酔っぱらった息子のその一言が、私の人生を変えた。まさか、そんな話が自分に降ってくるとは思ってもみなかったんです。だって私は、もう60歳。男に抱かれるどころか、手を繋ぐことさえ、この十数年なかったのに。金山洋子、60...
シニアの恋愛は60歳からチャンネル様

壁が薄すぎる旅館

私の名前は池田裕子。もうすぐ62歳になります。夫の守とは、二十歳そこそこで結婚して、もうすぐ40年。長いようで、あっという間だったような、不思議な年月です。子どもたちはそれぞれ家庭を持ち、孫の顔も見せてくれるようになりました。家の中はすっか...
いつまでも若く

彼女の体温

森智則、38歳。地方都市の中規模な広告制作会社に勤めて、もう十数年になる。結婚歴なし、恋人もいない。仕事はまあまあ真面目にこなしてるけれど、情熱があるかと言われればそうでもなく、かといって辞めたいと思うほどの不満もない。なんとなく続けてるっ...
いつまでも若く

私の理性を揺らす隣人の男の子

春の風が、ふわりとカーテンを揺らした。その風をぼんやりと見つめながら、私はまたひとつ歳を重ねたな、と思っていた。結婚はしたいと思ってる。今でも。誰かと一緒にご飯を食べたり、寝る前に「おやすみ」って言い合ったり、ふとした時に手を伸ばしたら、そ...