2025-04

いつまでも若く

義理の母

「お義母さん、俺、ずっと――」それ以上の言葉は、喉の奥でつかえて出なかった。彼女は静かに微笑みながら、テーブルの上に置かれたカップに視線を落とした。時計の針は22時を回っている。リビングの明かりは薄暗く、暖色のランプが優しく部屋を照らしてい...
いつまでも若く

女としての喜び

わたしが「彼」と関係を持ってしまった夜、帰宅したときのこと。家の玄関を開けた瞬間、夫の靴が乱雑に脱ぎ捨てられているのが目に入った。ドアの向こうからはテレビの音と、酒臭い空気。胸の奥に冷たい何かが沈んだ。「……遅かったな」夫はソファに寝そべっ...
いつまでも若く

禁断介護

朝起きて、食器を洗って、洗濯物を干して、買い物に行って、夕飯を作って、夫の帰りを待つ。そういう毎日がもう何年も続いていた。慣れてしまえばそれが当たり前になって、特別不満があるわけでもなかったけれど、どこか心のどこかが渇いていた。笑顔で「おか...
いつまでも若く

娘の夫

あの日までは、きっと、平凡な日々のなかに安心を感じていたのだと思います。私は四十二歳。娘が二十代前半で早めに結婚してくれたおかげで、子育てという肩の荷も、ひとまずは下ろしたような気分でいました。「親の務めは果たした」とまでは言えないにしても...
いつまでも若く

漁師の嫁

いつからだったろうか。義父の視線を背中に感じるようになったのは。気づけば、それが消えない違和感として、理央の心にまとわりついていた。42歳の理央は、漁師である夫の補佐をしながら、義両親と共に暮らしていた。義父も長年漁師として働いていたが、体...
いつまでも若く

満たされた夜

私は、地方都市の古びた団地で暮らしている、三十八歳の女です。十一歳になる娘が一人います。名前は紗良。小さな頃から手のかからない子で、よく空気を読んでくれる。そんな娘の優しさに、私は何度も救われてきました。けれど、私たちの生活は決して穏やかな...
いつまでも若く

一緒に住めれば良いのに

「もう、誰も失いたくない」そう強く思ったのは、あの朝、彼のぬくもりを感じた瞬間だった。久しぶりの休日、今日は朝から天気がよかった。とはいっても、主婦に完全な「休み」なんてあるわけじゃない。朝ごはんの片づけをして、洗濯物を干して、掃除機をかけ...
シニアの恋愛は60歳からチャンネル様

まさかこんな歳で初めて外で…

町内会の旅行なんて、正直あまり乗り気じゃありませんでした。なにしろ、昔からそういう「団体行動」というものが得意ではなかったんです。それでも今回、参加することにしたのは、恵子が「たまにはいいじゃない」と言ったからでした。妻の言う「たまには」は...
シニアの恋愛は60歳からチャンネル様

パソコンであんな動画を見てるなんて

皆さんこんにちは。今回のお話は、いつまでも女性として見て欲しい麻子さんのお話です。それではお聞きください。私の名前は、大城麻子。五十八歳になります。この歳になると、周囲からは「もういい年」なんて言われることもありますけれど、私はまだ自分を女...
シニアの恋愛は60歳からチャンネル様

あの時のホテルなんだよ

私の名前は、大沢明子、61歳。夫の明弘は63歳になったばかりで、つい先日、長年勤めた会社を退職しました。本当は、もう少し働きたいと言っていたけれど、私は早めに仕事を終えて、残りの人生をゆっくり過ごす方がいいと思っていたから、内心ほっとしてい...