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弟の嫁との淡い2カ月間

シニアの恋愛は60歳からチャンネル様シニアの話

皆様こんにちは。今日のお話は64歳康弘さんのお話です。それではお聞きください。

私の名前は康弘、64歳です。

ひょんなことから、3か月間とはいえ、妻を交換したような気分を味わうことになりました。

私は定年を迎えた今も、週に3回、嘱託として以前と同じ職場に通っていますが、心の中にはどうしようもない虚無感が広がっています。妻は65歳の姉さん女房で、いつも私を支えてくれるしっかり者です。兼業農家のため、家庭のことも農作業の細かなことなどすべて彼女に頼りっぱなしで生活をしていました。

私には年の離れた弟がいるのですが、彼は58歳で、近所に住んでいます。弟の妻、美奈代さんは57歳。彼女は明るくて優しく、彼女がいると場が和むような存在です。弟夫婦とは親しく、特に妻は美奈代さんと仲が良く、よく家に来ては妻とお茶をしながら話し込んでいました。

しかし、ある日弟が仕事中に大けがを負い、長期入院を余儀なくされました。美奈代さんは不安そうでしたが、妻が「大丈夫、私がいるから」と優しく励ましていました。その言葉は美奈代さんだけでなく、私にも安心感を与えてくれました。

けれども、不運は続くものです。弟が入院して間もなく、今度は妻が階段から転落し、腰の骨を折ってしまったのです。医者から「全治3か月」と言われたとき、私は心底驚きました。幸い頭は打っておらず命に別状はありませんでしたが、身動きが取れなくなった妻を見て、私はどうしたらいいのか分からなくなりました。

もちろん妻が大変な思いをしているのは理解しています。命に別条が無いと分かった瞬間、それよりもこの先どうしようとこの時は頭がいっぱいになっていました。

私は家事などほとんとやったことがありません。洗濯も料理も掃除も、すべてが中途半端で、たったの3日間で家の中は散らかり始めました。さらに、弟がいないため、農作業も一人でこなさなければなりません。体力の限界が近づき、心も折れかけていました。毎日がただただ忙しく、何かに追い立てられるような日々でした。

「もう無理だ……仕事の方を辞めるか……」そんな考えが頭をよぎることが多くなりました。心も体も疲れ果て、どうにもならないと思っていたとき、美奈代さんが訪ねてきてくれました。

「康弘さん、私、お手伝いしますよ?」美奈代さんのその言葉に、私は胸が熱くなりました。感謝と同時に、少しの恥ずかしさもありましたが、彼女の申し出に甘え、家事をお願いすることにしました。

美奈代さんは、炊事、洗濯、掃除を手際よくこなしてくれただけでなく、畑の作業まで手伝ってくれました。彼女が来てくれるたびに、家の中は整い、温かい食事が食卓に並びました。私は「ありがとう」と何度も言いましたが、それでも感謝しきれない思いが心の中にありました。

ある日、二人で畑仕事をしているとき、ふと美奈代さんの髪に陽が当たって柔らかく輝いているのを見た瞬間、胸がドキッとしました。それは何でもない日常の一コマだったはずですが、その瞬間から彼女に対する感情が揺れ始めました。もちろん、これはいけないことだと自分に言い聞かせました。私は妻を大切に思っていますし、美奈代さんは弟の妻です。それでも、美奈代さんが優しく微笑んで「康弘さん、大丈夫ですか?」と声をかけてくれるたび、私は彼女に対する淡い感情を抑えきれなくなっていきました。

それでも、美奈代さんは変わらず優しく接してくれました。ある日、作業が終わって休憩しているとき、美奈代さんが「お義姉さんが元気になるまで、私が支えますからね」と微笑んで言ってくれました。その言葉に、私はさらに心が揺れました。美奈代さんの優しさに感謝しつつも、その言葉の奥にどこか寂しさを感じたのです。

それからというもの、美奈代さんは昼前には我が家に来て、家事、農作業等を手伝ってくれています。そして夜は我が家でご飯まで食べて帰るというルーティーンが出来ました。

もちろん美奈代さんが来る時間を楽しみにしている自分に気づき、妻に申し訳ないと自己嫌悪に陥ることもありました。妻は入院中で、弟も病院にいる。そんな時に私は何を考えているのだろうと自問したりもしましたが、若い美奈代さんと一緒に生活しているような新鮮な感覚を味わっていたんです。私は妻が入れ替わったような、ただただ、なんと言えばいいのか、嬉しい、楽しい、どう表現して良いのか何とも言えない不思議な感覚でした。

そしてそんな生活が続き、妻の退院が近づくにつれ、私は現実に戻されていきました。美奈代さんが支えてくれた日々に感謝しつつも、彼女との時間が終わることに寂しさを感じました。私はその気持ちをどう整理すればいいのか分からないままでした。

ついに妻が退院する日がやってきました。美奈代さんは「よかったですね」と笑顔で言ってくれましたが、その瞬間、私の胸に押し寄せた感情は、喜びと寂しさが入り混じったものでした。

妻が家に戻り、私の生活は元に戻りつつあります。しかし、美奈代さんとの特別な日々は、心の奥深くにそっと残っています。彼女との時間は、私にとって忘れられないものとなりました。これからも彼女との関係は変わらず続くでしょうが、その感情は心の中にしまっておくしかないのだと、そう感じています。

これが、私の妻が入院中に起こった出来事です。普段ならば考えもしない感情に悩まされましたが、美奈代さんのおかげで、妻が戻ってくるまでの大変な時期を乗り越えることができましたし、なんだか少し自分が若くなったような気がします。

美奈代さんにはいつかきちんとお礼をしたいと思っています。それはもちろん、妻と二人で。

いかがでしたか?康弘さんのお話でした。妻が大変な時に。。。奥様にバレたら怒られる案件ですね。それではまた。

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