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高校生か!朝起きたら出てた…

シニアの恋愛は60歳からチャンネル様シニアの話
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私の名前は太田泰文、61歳です。定年から一年が経ちました。

長年勤めた会社を退職し、最初の半年はゆっくりとした時間を過ごしていました。定年前は疲労困憊の日々でした。朝早く家を出て、夜遅くに帰る。休日も仕事のことを考え、常に気を張り詰めた状態で生きていました。それが定年とともにすっかり解放され、気ままに過ごす日々。朝はゆっくり起きて、散歩をし、新聞を読みながらコーヒーを飲む。昼は好きなものを食べ、夜は酒をちびちびと飲みながらテレビを観る。そんな毎日が続きました。けれど、半年ほど経つと、ある変化が訪れました。

枯れたと思っていた性欲が、復活したのです。

もうそんなものは過去の話だと思っていました。長い仕事生活で、そんなことを考える余裕すらなかった。疲労に追われ、ただ日々を生きるだけだった。それが、規則正しく、健康的な生活を送るようになったせいなのか、気づけば湧き上がるものがありました。

最初は気のせいかと思いました。むずむずすることをはっきりと感じたのです。

それでも、妻にそんなことを言えるはずがありません。

仲が悪いわけではありません。むしろ夫婦仲はいい方だと思います。ただ、そういう関係がなくなって久しく、もう十年以上は交わっていません。キスどころか、手を握ることさえなかった。そんな状態で、今さらお願いすることなんて言えませんでした。

気持ち悪がられるに決まっています。そんな恐れが、口を閉ざしていました。けれど、身体は正直でした。

それはある朝のことでした。目が覚めると、股間が生暖かく、妙な違和感がありました。まさか、と思いながらそっと布団をめくると、信じられない光景がそこにありました。高校生時代に一度だけ経験したことがあった夢精。

思春期ならまだしも、この歳になってこんなことが起こるとは。

私は慌てて布団を抜け出し、トイレへと駆け込みました。妻はまだ寝ています。安堵しながら、汚れた下着を脱ぎ、急いで洗面所で洗いました。なるべく音を立てないようにしながら洗濯機へと放り込み、その場をやり過ごしました。

まさかこんなことが起こるとは。

自分の身体の変化に驚きながらも、それは一度だけのことだろうと思っていました。

しかし、翌週、同じことが起こったのです。今度は、妻がすでに目を覚ましていました。

「ねえ、どうしたの?」突然声をかけられ、心臓が跳ねました。

「いや、何でもないよ」何気ない顔を装いましたが、動揺しているのがバレていないか不安でした。

その日は、それ以上妻に追及されることはありませんでした。しかし、夜になり、お互い布団に入ったとき、妻がふいに聞いてきたのです。

「ねえ、最近パンツが二枚、洗濯機に入ってるけど?」ドキリとしました。

完全に見抜かれている。観念して、すべてを話しました。

性欲が戻ってきたこと。夢精してしまって自分でも戸惑っていること。そして、妻ともう一度愛し合いたいと思っていること。

妻は気持ち悪がるかもしれない。そんな恐れがありました。

しかし、妻は少しの間を置いた後、意外なことを言いました。

「じゃあ、私とまだしたいの?」まさか、そんな言葉が妻の口から出るとは思いませんでした。

「もちろん」迷いなく答えました。

妻は私の顔をじっと見て、それから少しだけ視線を逸らしながら、静かに言いました。

「……いいよ」その言葉が、信じられませんでした。

「え?」妻はふっと笑い、「だから、いいって言ってるでしょ?」ともう一度言いました。

しかし、次の瞬間、「嫌ならもういいよ」と布団の向こうを向いてしまいました。私は慌てて、妻の布団に潜り込み、彼女を抱きしめました。彼女の体は、温かかった。

ずっと遠くにあると思っていた妻の温もりが、今、すぐそこにある。その事実に、胸が詰まりそうになりました。

十年以上ぶりの交わり。

もちろん、昔のようにはいきません。お互い体力も落ちているし、ぎこちなさもありました。

けれど、それでも、心の奥底に眠っていた熱が確かに蘇っていました。

そして、妻の息遣いが、私をより一層奮い立たせました。

妻の温もりを感じながら、私は胸の奥がじんと熱くなるのを感じていました。

十年以上ぶりに触れる妻の体は、思いのほか柔らかく、そして懐かしい香りがしました。昔は、こんなふうに彼女を抱きしめることが当たり前だったのに、いつの間にか触れることすらなくなっていた。そのことに、改めて気づかされました。

妻も少し緊張しているのが伝わってきました。私の腕の中で、小さく身じろぎしながら、戸惑いが入り混じった目で私を見つめていました。

「……本当に、いいのか?」思わずそう聞いてしまいました。

妻は少し目を伏せ、それから静かに頷きました。

「……あなたが、したいなら」たったそれだけの言葉なのに、私の心は大きく揺さぶられました。

妻が、受け入れてくれた。ずっと心の奥で渇望していたものが、ようやく満たされる気がしました。

私は、そっと妻の頬に触れました。長い間、触れてこなかった肌。そのぬくもりに、思わず息を呑みました。

妻はほんの少しだけ肩をすくめましたが、拒むことはありませんでした。私はゆっくりと妻を抱き寄せました。

その瞬間、妻が小さく息を呑むのが分かりました。

「……昔みたいには、いかないかもしれないけど」妻はそう言いました。

「俺も、昔みたいには動けないよ」お互い、無理はできない。

けれど、そんなことは問題ではありませんでした。ただ、妻を感じたかった。

私たちは、ゆっくりと昔の関係を取り戻すように、慎重に触れ合いました。

若い頃のように、がむしゃらに求め合うことはできない。

けれど、長い時間をかけて積み重ねてきた夫婦だからこそ生まれる、穏やかな熱がそこにはありました。

妻の表情が、少しずつ変わっていくのが分かりました。

最初は戸惑いがちだったその瞳が、次第に潤み、熱を帯びていくのがはっきりと分かりました。

私たちは、お互いの存在を確かめるように、ゆっくりと時間をかけて交わりました。

そして、その夜、私は十年以上ぶりに、妻を腕の中で抱きしめたまま眠りにつきました。

翌朝、目が覚めると、隣で妻が静かに寝息を立てていました。

いつもと同じ朝のはずなのに、妙に心が落ち着いていました。

妻の寝顔をこんなにじっくり見るのは、何年ぶりだろうか。いや、もしかすると、結婚してからこんなふうに彼女の顔を見つめたことはなかったのかもしれません。

私はそっと手を伸ばし、彼女の髪を指でなぞりました。

すると、妻が微かに動き、ゆっくりと目を開きました。

「……おはよう」眠たげな声でそう言った妻の顔は、どこか柔らかく、穏やかで、まるで若い頃に戻ったようでした。

私は、静かに笑いました。

「おはよう」ただ、それだけの言葉を交わすだけで、昨日までとは違う何かがそこにありました。

妻はしばらくじっと私を見つめていましたが、やがてくすっと笑いました。

「なんだか、変な感じね」

「そうか?」

「だって……あなた、こんなに私の顔をじっと見ること、なかったでしょ?」妻にそう言われ、私は苦笑しました。

「そうかもしれないな」妻も、変わったのかもしれません。

昨夜、あれほど緊張していたのに、今の彼女はどこか自然でした。

私たちは、ようやく夫婦としての距離を取り戻したのだと思いました。

朝食の時間になり、二人で台所に立ちました。妻はいつものように味噌汁を作り、私はコーヒーを淹れる。その流れは何も変わらないのに、ふとした瞬間に、妻が私の手を触れることがありました。それが、たまらなく嬉しかった。

「あのね」妻がぽつりと言いました。

「昨日のこと、ありがとう」私は、少し照れくさくなりました。

「俺の方こそ、ありがとう」妻は、にっこりと微笑みました。その笑顔を見た瞬間、私は確信しました。

これからの人生、もう一度、妻と向き合って生きていける。

そして、もう二度と、この温もりを手放したくない。

それからの日々は、少しずつ変わっていきました。

特別なことがあったわけではありません。相変わらず、朝になれば妻が先に起き、台所で朝食を作る。私は新聞を読みながらコーヒーを飲み、ゆっくりとした時間を過ごす。

けれど、たまに妻と目が合うと、彼女はふっと微笑むようになりました。

そんな些細な変化が、こんなにも心を満たすものだったのかと、改めて思いました。

「あのね、最近、ちょっと若返った気がするの」妻が、恥ずかしそうにそんなことを言いました。

「俺もだ」私は正直にそう答えました。

妻は少し驚いたような顔をしましたが、それから、ふっと笑いました。

「なら、よかった」そのまま妻は、私の手を優しく握りました。

これまでの十年は、何だったのだろうか。そう思うほど、妻との距離は縮まっていました。

この歳になって、まさかこんな風に心が動く日が来るとは思いもしませんでした。

けれど、それは確かに訪れたのです。

私はそっと妻を引き寄せ、その温もりを感じながら目を閉じました。

これからも、妻と共に歩んでいきたいと思います。

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