今回の話は、拓郎さん61歳のお話です。それではお聞きください。
私は、山田拓郎、61歳です。まだ働いてはいますが、体もまだまだ元気ですので特に大きな不満はありません。まあ、歳を取っても雇ってくれるだけで感謝しないといけないですね。お金に困っているわけではありません。妻の由美と一緒に、妻の実家で暮らしているので、家代と言うのが掛からなかったので、特に苦しい生活を送ることもなく、波風もない日々がずっと続いていました。私は結婚してからすぐにいわゆる「ますおさん状態」になったのですが、最初は少し戸惑っていたものの、慣れてしまえばそれが居心地がよく過ごしやすかったです。妻の由美は温厚で優しい性格で、彼女のそのおっとりしたところが、私にはちょうど良かったのかもしれません。
由美は58歳で、いつも穏やかで、口調も落ち着いています。私はどちらかというとガサツなほうなので、そんな由美にいつも助けられているんだと思います。私たちは長い間、由美の母親である義母と一緒に暮らしてきました。子供たちはもう独立して、それぞれの人生を歩んでいますし、私はこのまま静かな日常が続くんだろうと、それが当たり前だと思っていたんです。
ところが、半年ほど前のことでした。突然、私たちの静かな生活に大きな変化が訪れました。由美の妹、美奈子が夫とケンカをし別居して、家に出戻ってきたんです。その時、私は何か不安なものを感じました。美奈子は由美とは性格がまるで違うんです。由美が控えめで、落ち着いているのに対して、美奈子は物事をはっきり言うし、ガツガツしている。年齢も10歳下で、まだ48歳。なんというか、自由気ままな生き方をしているように見えるんです。
義母がいる間は、それが直接の問題になることはありませんでした。ただ、直後に義母が亡くなった後は事態が急変していきました。葬儀の席で、美奈子が元夫と激しい口論を始めたんです。「もう絶対に戻らない!」と声を荒げて言い切る彼女に、その場にいた全員が凍りついたのを覚えています。そして、そのまま美奈子は私たちと一緒に暮らしことになりました。
美奈子が家に戻ってきてから、何かが変わりました。最初は、ちょっとした違和感でした。家の空気が妙に騒がしくなったような、落ち着かない感じがあったんです。でも、それだけならまだ良かったんですが、次第に美奈子は私に妙に近づいてくるようになりました。家の中で、何の気なしに下着姿でうろついたり、妙に馴れ馴れしく話しかけてきたりするんです。「義兄さん、今日もお仕事お疲れ様」とか言いながら、私の肩に手を置いたり、膝に触れたりするんです。
最初は気遣いだと思っていました。美奈子も家に戻ってきたばかりで気を使っているのかもしれない、そう自分に言い聞かせました。でも、どうしても彼女の視線や言葉の端々に、どこか挑発的なものを感じてしまうんです。美奈子は見た目が若々しくて、正直言って30代後半だと言っても通るくらいなんです。それに、彼女の色気がすごい。私もそれを感じないわけにはいきませんでした。
私は由美を愛しています。でも、美奈子が私に近づいてくるたび、少しずつ心が揺れるのを感じてしまうんです。そんな自分が情けなくて仕方ありませんでした。妻はそんな私を全く疑っていませんでした。いつも妹の美奈子とのやり取りを笑顔で見守っているんです。アタフタしている私を見られる度に、私は苦笑いを返すしかありませんでした。妻を裏切ることなんて絶対にあり得ない。そう思っているのに、美奈子が近づくたびに心がざわつくんです。
美奈子の誘惑は次第にエスカレートしていきました。「義兄さんって、本当に優しいですよね」なんて言いながら、私の肩を撫でるように触れてくるんです。私は適当に流していましたが、内心ではどんどん自分の理性が揺らいでいくのを感じていました。これはまずい。そう思っていましたが、美奈子の色香に抗うのは簡単ではありませんでした。
そして、ある日突然、ついに妻が爆発しました。今まで穏やかで、怒るところなんて見たことがなかった由美が、突然、美奈子に向かって大声を出したんです。「もういい加減にして!」と。由美が本気で怒るのを初めて見た私は、その場で固まってしまいました。由美は涙を流しながら、美奈子に向かって怒りをぶつけました。「もう我慢できない!」と震える声で叫ぶ彼女の姿を見て、私は驚きと同時に胸が締め付けられる思いでした。
美奈子も、由美がここまで感情を爆発させるとは思っていなかったのでしょう。初めて姉に怒られた彼女も泣き始め、いい歳した姉妹が大泣きしていました。私はただその光景を、呆然と見守るしかありませんでしたが、正直カオスでした。何が起こっているのか、その場では理解できませんでしたが、姉妹の間で何か大きな感情がぶつかり合い、それがついに表面化したんだろうと感じました。
その後、由美の提案で、美奈子の元夫を呼び寄せて、長い話し合いが行われました。結局、美奈子は私と妻の仲睦まじい姿に嫉妬をしていたのです。だからちょっかいを掛けた。お互いに感情をさらけ出し、そして二人は和解し、美奈子は元夫のもとに戻ることになりました。そして、私たちはようやく静かな日常を取り戻しました。
あの出来事を振り返ると、やっぱり家族って不思議なものだなと感じます。どんなにぶつかり合っても、最終的にはお互いに支え合って、また一つに戻っていくものなんですね。あの日、由美の涙を見た時、彼女がどれだけ私を愛してくれているかを強く実感しました。家族とは、時に傷つけ合い、時に助け合い、最後には必ず繋がっているものなのだと、あらためて感じさせられた出来事でした。いかがでしたでしょうか?ある夫婦に起きた出来事のお話でした。
皆様も兄弟間でトラブルになったことはありますか?兄妹だからこそ揉めたりする部分もありますよね。
こんな凄いことがあったよと言う方はコメント欄でぜひ教えてくださいね!それでは、また。