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夫の浮気 

いつまでも若く復讐裏切り

私の名前は真理、48歳。夫の学は52歳。25年の結婚生活は、穏やかで安定していたと思っていた。結局子どもには恵まれなかったけれど、私たちはお互いをよく知り、支え合ってきた。少なくとも、そう思っていた。

でも、最近の彼は違う。帰りが日々遅くなり、休日も「仕事だ」と言って外出することが増えていった。最初は仕事が忙しいんだろうと思っていたけれど、なんだか違和感を覚え始めた。ある日、ふと彼の香りがいつもと違うことに気づいた。確実にお風呂には入ってきている。「え?なんかいい匂いがするんだけど」と、問いただしても「サウナに入ってきた」などと簡単に嘘だと思うような言葉を返してくる。

それからは、彼の様子が気になって仕方がなかった。食事中もスマホを手放さないし、話しかけても上の空。長年連れ添ってきたからこそ、心の距離がじわじわと広がっていくのを感じた。

そして、決定的な瞬間が訪れた。ある夜、彼がスマホをいじっているところを偶然見てしまったのだ。画面には「会いたい」というメッセージ。指が素早く動き、まるで焦っているようだった。心臓が凍りつき、息をするのも忘れてしまった。

翌日、私は昔からの友人、由美に連絡を取った。彼女は興信所で働いていて、夫の浮気を疑う私に冷静にアドバイスをくれた。

「真理、浮気の予感がする時って、大抵当たるよ。覚悟しておいてね。」

彼女の言葉は私の胸に重く響いた。真実を知るのが怖い一方で、このまま疑いを抱え続けるのも辛かった。だから、私は彼女に背中を押される形で興信所に調査を依頼することにした。

1か月後、調査結果が届いた。震える手で報告書を開くと、そこには夫が22歳の新入社員と浮気をしているという事実が記されていた。まるで自分の娘のような年齢の女性。その現実が私を打ちのめした。椅子に崩れ込むように座り、しばらく何も考えられなかった。ただ、冷たい現実が目の前に突きつけられているだけだった。

だけど、私はすぐに立ち上がった。このまま黙っているつもりはなかった。夫に衝撃を与え、向き合うための準備を始めた。彼の好きな料理を作り、豪勢な食事を用意して待つことにしたのだ。

その夜、「お、今日は豪勢だな」夫は上機嫌で私が作った食事を楽しんでいた。まるで何も知らないかのように。

「最近、仕事で遅いことが多いみたいだけど、何かあったの?」

私はできるだけ穏やかに問いかけた。彼は一瞬目をそらし、気まずそうに答えた。

「え?…特に何もないよ。」

でも、その目は私を見ようとしなかった。彼の態度に、私の中の疑念が確信に変わった。

「浮気してるんでしょう?」

静かに、でも鋭く核心を突くと、彼は一瞬固まった。目の前で何かが弾けるように、彼の顔に動揺が走った。私がしつこく追及すると次の瞬間、「何言ってるんだ!そんなことあるわけないだろ!」と、怒りに任せて急に立ち上がった。その時机のお鍋がひっくり返ってしまったのだ。

熱々のスープが私の足に飛び散り、鋭い痛みが全身を貫いた。悲鳴を上げ、その場に崩れ落ちた私を見て、彼はしばらく呆然と突っ立っていた。

「早く救急車を呼んで…」

その言葉でようやく彼は我に返り、救急車を呼んだ。

病院のベッドに横たわる私の足は、深い火傷だった。スカートが皮膚に貼りつき緊急手術になった。医師や看護師が何かを話していたけれど、鎮静剤を打たれその言葉はもう耳に入ってこなかった。頭に焼き付いているのは、夫の焦った表情と、その後一切の謝罪もない夫の姿だった。

医者が夫の態度に不信感を抱き、警察を呼んだのかもしれない。後日私も事情を聞かれ、今回は事故として処理されはしたが、私は彼への失望と怒りを抱えたままだった。

退院後、私は両親を呼び、夫の浮気の証拠を見せた。両親は激怒し、夫を強く責め立てた。だが、夫はただ黙って頭を垂れ、私に対する謝罪の言葉は一切口にしなかった。まるで魂が抜けたかのような姿だった。

やけどの分も含め慰謝料を求めたが、夫の両親は年金暮らしで金銭的な補償は望めず、結局、今住んでいるマンションを譲り受ける形で決着がついた。しかし、私の心に残った傷はやけど以上に重く簡単には癒えなかった。

数カ月後、元夫が浮気相手と暮らしているという噂が耳に入った。私が彼に抱いていた怒りは、今も消え去ることはなかった。だから、私は彼の会社に浮気の件を報告した。するとその数日後、元夫が突然マンションに乗り込んできたのだ。

「お前のせいで支店に飛ばされたんだ!」

彼の怒りの声が玄関に響いた。ドアが激しく叩かれ、私は心を落ち着けて「帰って」と言ったが、彼は聞く耳を持たなかった。次の瞬間、彼は無理やり鍵を開けて侵入してきた。なんとスペアキーを作っていたのだ。

だが、その時、リビングにいたのは私の弟がいたのだった。ちょうど今回の私のいきさつを聞きに来ていたのだ。彼は現職の警察官で、無言で立ち上がると、夫を一瞬で取り押さえた。

「おい、やめろ。」

その低い声に、夫は驚き、抵抗を止めた。弟は淡々と、元夫を警察に引き渡した。私はその場で、弟がいてくれたことに心から安堵した。

あれから数週間が経ち、私は弟と一緒に家族で食事をする機会が増えた。火傷の傷はまだ癒えないけれど、心は少しずつ回復しつつある。弟は私をいつも気にかけてくれて、支えてくれている。

「姉さん、大丈夫だよ。ゆっくりでいいからさ。」

弟の言葉はいつも優しい。彼のおかげで、私は新しい未来を歩み始める勇気を持つことができた。確かに過去の傷は消えない。でも、もう一度笑える日が来るかもしれないと思えるようになった。

私は少しずつ、自分の人生を取り戻していく。そしてその未来には、弟や家族がそばにいる。それだけで、私はまた幸せを感じられる日が来るだろうと信じている。

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