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嘘の夫婦交換

いつまでも若くスワッピング系

私はもうすぐ40歳、自分でもわかっている。子供を産んでいない分、年齢の割には若いと言われることが多いし、実際、肌の手入れも抜かりなく、ファッションにも気を配っています。街を歩けば、ふとした瞬間に人の視線を感じることもある。でも、そんな私の外見の若さとは裏腹に、心の中ではずっと埋めがたい焦燥感を抱えていました。

結婚してもうすぐ15年が経ちます。夫とともに、平穏な日々を過ごしてきたつもりでした。夫はもう48歳、いつも頼りがいがあって、歳が離れている分、どんなときでも私を優しく包み込むように愛してくれました。ずっと子供を望んで、不妊治療を行ってきました。でも、それもうまくいかず、その穏やかな日常に、大きな影が忍び込んできました。

最初のうちは「自然に任せればいい」とお互いに言い聞かせていました。焦る必要なんてない、いつか運ばれてくるだろうと。けれど、私が40歳を迎えたとき、その現実に打ち砕かれました。時間は残酷に過ぎ去り、妊活を始めることにしたものの、現実は無情でした。

夫の体の変化は、時間の経過とともに静かに、しかし確実に訪れていました。彼の中で何かが薄れ、遠のいていくのを、私は肌で感じるようになっていました。性欲が薄れ、夜に誘っても夫は眠たそうな顔をして「ごめん、今日はちょっと…」と断るようになりました。その一言一言が、私の心をじわじわと冷たく締め付けます。私の焦りと孤独は募るばかりで、夜の静寂が耳に深く響き、胸を刺してきました。ベッドの隣に横たわる夫が、どんどん遠くにいるように感じるのです。

その孤独感に耐えきれず、私は友人の真奈美に相談を持ちかけました。夫との関係を立て直すにはどうすればいいのか――そんな問いに、私は正直すぎるほど素直だったのだと思います。真奈美の口から出てきたのは、予想を裏切る奇抜な提案でした。「じゃあ夫婦交換をしましょう!」。その言葉を聞いた瞬間、私は衝撃を受け、思わず真奈美を見返しました。「え?そんなことして何になるの?」。声にはわずかに震えがありました。でも、真奈美は冷静な目で私を見つめ、続けたのです。「ううん、ほんとはしないのよ。ただのふり。そうすると多分旦那さん、焦ると思うよ!そうすれば、あなたを失いたくないと思って、復活するはずよ」。

真奈美の言葉にはどこか、彼女自身の経験から来るものがあるように感じました。彼女も、かつて夫との関係に悩んだことがあったのかもしれません。私はそんなことを考えながらも、彼女の提案に揺れ動く自分の心を止められませんでした。理性は拒絶しているのに、私の焦りと不安がその提案にすがりつこうとしていました。「ちょっと不自然かもしれないけれど、やってみる価値はあるかもしれない」と、心の中で何度も言い聞かせました。そして私は覚悟を決めました。真奈美夫婦とのおでかけを装い、さりげなく夫に、真奈美の夫って頼もしいのよねなどと、彼女が言った通りに先に伝えておきました。

夫は最初、平静を装っていました。まるでそれがどうでもいいかのように振る舞っていたのですが、少しずつその態度に微妙な変化が現れていくのを、私は見逃しませんでした。彼の目の奥に隠された小さな不安の色、何かに苛立つような言葉遣い、普段は見せない陰り、それらは確かに、彼の心の動揺を示していたのです。そして、4人で集まる日がやって来ました。

町を歩いている時に、真奈美が夫をうまく引きはがしてくれ、私たちは入れ替わってデートをすることになりました。

真奈美は夫を連れまわしている間、夫は女性の扱いに慣れているなど焦るように焚きつけてくれていました。

後で聞いたところ、何事もなかったように振舞ってはいたそうですが…

ただ、その「仮のデート」から帰ってきたその夜、夫は私に詰め寄りました。いつもの穏やかな顔つきではありません。「お前、あいつと何をしてたんだ?」。声には、嫉妬と焦燥が混じり合い、今までの夫とはまるで違う響きでした。普段なら少しも気にしなかったようなことで、彼がここまで苛立つとは、私はその表情を見た瞬間、言葉を失いました。けれど、同時に胸の奥がほんの少しだけ温かくなっているのを感じました。「この人、まだ私のことを本気で気にかけているんだ」そう思った瞬間、自分でも驚くほどに涙がにじんできました。

その夜、私たちは長い間忘れていた情熱を取り戻し、一晩に何度も互いを確かめ合いました。夫はかつての情熱を取り戻し、私を何度も抱きしめてくれました。その温かさと力強さが、私の不安を溶かしていくようでした。長い間感じていた孤独が、少しずつ消えていくのがわかります。まるで二人の間にあった壁が壊れ、再び心が通じ合ったかのような感覚でした。涙が頬を伝うとき、私は思いました。「ようやく私たちは、あの日々に戻れたんだ」と。

そしてその数か月後、待ち望んでいた妊娠の知らせが訪れました。私はその日を、何度も夢見ていました。今までの苦しさがすべて報われた瞬間でした。私は喜びの涙を浮かべながら、夫にそのことを伝えました。夫はその瞬間、私を抱きしめ、優しい声で言ったのです。「頑張ろうな、子供が成人するまで死ねないぞ!」と。

「頑張って長生きしてね」

その言葉と同時に、あの時の夫婦交換の出来事を謝らないといけないと思い、夫にあの日の真実を告げました。「あの夫婦交換の話、本当はあなたを焚きつけるための嘘だったの」私は震える声で打ち明けました。夫は一瞬驚いたように目を見開きましたが、すぐに深く息をついて、私を見つめ返してくれました。「そうだったのか。でもあれのおかげで、改めてお前を愛してることを実感できたし、もういいよ」そう言って、夫は優しく微笑んだのです。その微笑みには、私たちが過ごした苦しみの日々と、再び見つけた愛情が織り込まれているように感じました。

その後、私たちの間に出来た新しい命はすくすくと大きくなり、もうすぐ出産を迎えます。二人が紡いだ嘘から生まれた、それは、私たちにとって大きな希望であり、新しい人生の始まりです。これからの日々がどんなものになるのか、どんな困難が待っているのか、私たちにはまだ分かりません。でも、あの夜に感じた夫の腕の温もりと、私の涙が教えてくれたように、二人で乗り越えていきたいと思います。

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