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血の繋がらない娘

いつまでも若く年の差禁断純愛

「ただいま、お父さん」と明るい声が家の中に響いた。「おお、お帰り」。娘が今日から実家に戻ってくることになった。名前は真理恵。彼女は再婚した妻の連れ子で、私とは血の繋がりはない。だが、私は妻を愛していたし、真理恵のことも本当の娘として大切に育ててきた。

妻との再婚当時、真理恵は10歳だった。人懐っこい彼女はすぐに「お父さん」と呼んでくれ、本当の親子のように過ごしてきた。しかし、その幸せな時間は長くは続かなかった。真理恵が15歳になる頃から、私とはほとんど話をしてくれなくなったのだ。妻は「思春期だから仕方ないよ」と言ってくれたが、私はかなり寂しかった。結局高校生の間もほとんど会話がなく、話をしても一言二言だけだった。

真理恵は高校を卒業した後、家を出て大学に進学しそのまま社会人となった。定期的に帰省してくれるものの、大人になっても子供の頃のように気さくに話してくれることはなかった。

真理恵が社会人になって数年が経った頃、妻が病気になった。発見後は真理恵は頻繁に帰省し、積極的に看病を手伝ってくれた。しかし、その甲斐もなく、1年後に妻は旅立ってしまった。妻を失った数ヶ月間、私は一人で呆然と過ごしていたが、真理恵はその間も私を心配し頻繁に訪ねてきてくれていた。

ある日、妻を失った悲しみと介護の疲れが一気に押し寄せたのか高熱を出して寝込んでしまった。真理恵からの連絡も返せずにいると、「お父さん!大丈夫?」と真理恵が寝室に駆け込んできた。「あ、あぁ。大丈夫だよ。少し休むから」。その後、熱にうなされ続け、2日間の記憶はほとんどなかった。3日目の朝、ようやく目を覚ましたとき、真理恵はベッドの淵にもたれるように眠っていた。

「真理恵」と声をかけると、彼女は目を覚まし、「お父さん!大丈夫なの?死んじゃ嫌だよ!」と彼女は子供のように泣きじゃくった。「もう大丈夫だよ」と言ってもなかなか泣き止まない。妻の病気後はある程度会話できるようになっていたとはいえ、真理恵がこんなにも泣いてくれるなんて、親として感無量だった。私も自然と涙が流れていた。

その後真理恵は落ち着きを取り戻し、「お父さん、私、家に戻ってきてもいいかな?」と決意したような目で尋ねてきた。「もちろん良いよ。でも仕事はどうするんだい?」と聞くと、「辞める。辞めてこっちで働く!」と決意を示した。「それは父さんは嬉しいけど、真理恵が決めることなら何でも応援するよ」。この瞬間、私の胸は暖かさでいっぱいになった。真理恵の決意が私の心に深く響いた。真理恵はその後も熱が下がるまで、熱心に看病してくれた。私の体が回復した後、彼女はさっそく仕事を辞め、この家に引っ越してきた。

「お父さん、これからよろしくね」と真理恵が明るく言った。あれだけ話さなかった真理恵が大人になったと感じ、少し胸が熱くなった。それからの親子の生活は、今まで止まっていた二人の時間を少しずつ取り戻していった。しかし、妻がいない生活は思っていたよりも大変だった。そんな日々を過ごす中あっという間に時間は過ぎ、妻の一周忌を迎えた。

一周忌の集まりで、真理恵は珍しく酔っていた。「はい、お水」と差し出すと、「ありがとう」と一気に飲み干した。
「1年かぁ、早いもんだなぁ」と仏壇を見つめながらつぶやく私の耳に、真理恵のか弱い声が届いた。
「ねえ、お父さん、私、このまま家にいてもいい?」。その言葉には微かな不安と期待が混ざっていた。

「もちろん、いてもいいよ」「でも結婚したら、父さんまた一人で寂しくなるなぁ」
「私、結婚しないよ」
「え?いい人はいないのかい?」
「うん、お父さん以上にいい人に出会ったことがないの」。
酔っているとはいえ、嬉しい言葉だった。でも、真理恵の雰囲気はいつもと違っていた。

「お父さんこそ再婚しないの?まだ50歳だよ?」
「お父さんはもういいよ」
「ふーん、そっか」。真理恵は窓の外を見つめゆっくりと話始めた、「私さ、お父さんと高校生の頃から話さなくなったじゃん?」
「ごめんね、どう接していいかわからなかったんだ」
「あぁ、思春期だったから仕方ないと思ってたよ。でも、その後も長かったけどな。ハハッ」
「うん、ごめんね。でもちょっと違うんだ」。真理恵は言いかけた言葉を飲み込み、窓の外を見つめた。

しばらく沈黙が流れた。「わたしね………..」
・・・・・
「ううん、やっぱり何でもない。先に寝るね」。彼女はそう言うと部屋に戻っていった。一人残された部屋の空気は、少し張り詰めていた。真理恵が言いたかったことは何となく分かる。彼女は私をお父さんとして見ていないのだ。高校生の頃から妻と話していると不機嫌になり、私が話しかけると恥ずかしがる。その空気は思春期だけでは片付けられないものだった。お酒の力があったとはいえ、さすがの私でも理解できた。明日以降、父と娘として接するべきなのか、一人の女性として見るべきなのか、私は悩んでいた。

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