PR

いい歳して衰えない夫

シニアの恋愛は60歳からチャンネル様シニアの話

私は智子、61歳です。私の人生は平凡ながらも波乱万丈でした。24歳のときに、親戚の紹介で結婚することになりました。高校を卒業後、地元の中小企業に勤め、途中産休を挟み60歳まで働き続けました。この会社は雰囲気が良く、福利厚生のシステムも整っており、女性にも理解のある職場でした。私はこの職場で長く働き続けたいと思い、毎日真剣に仕事に打ち込みました。

当時の両親は、私が仕事に明け暮れているのを心配していました。「智子は、結婚できないんじゃないのか」と母はいつも言っていました。そんな私を心配して、両親は私の縁談をあちこちに頼んでくれたみたいです。当時は恋愛結婚だけでなく、お見合い結婚もまだまだ多く一般的でした。ある日、親戚の世話好きのおばさんが「あなたにぴったりの人がいるわよ」と言って、お見合い写真を持ってきてくれました。きちんとした撮影と思われる立派な写真でした。彼は私より2歳年上で、写真からも優しそうで誠実そうな雰囲気が伝わってきました。

話はとんとん拍子に進み、私は彼と結婚しました。結婚しても私は仕事を続け、二人の子供を授かりました。保育所に預けながら、子育てと仕事を両立させる日々が始まりました。夫も中小企業に勤めていたのですが、収入に関しては私と同じくらいしかありませんでした。当時は男女平等ではなかったので、夫の給料は安かったのだと思います。生活に関しては共働きだったので、何とか人並みの生活を送ることができました。

夫は特に趣味もなく、お酒も飲みませんでした。学生時代の友達とも年単位での付き合いくらいで、基本的に休日には家族で出かけることが多かったです。子供たちが小さい頃は、動物園や遊園地に連れて行きました。しかし、子供たちが成長し、部活動に忙しくなると、休日の外出も次第に減りました。夫は家で過ごすことが増え、私は友人と一緒に遊びに行ったり、同僚と一泊旅行に出かけたりすることが多くなりました。

しかし、次第に夫の嫌なところが目立つようになりました。まず、家事を全く手伝おうとしなかったことです。私が病気になっても、夫は「今日のご飯どうする?」と言った始末で、一切手伝いや助けはありませんでした。私が外出するときには「僕のご飯は?」と、常に自分の食事の心配しかしないのです。さらに、夫は性欲が強く、若い頃は毎日のように、40代以降も週に一度は求められました。たまに私の仕事が遅くなっても、夫はテレビを見て笑っているだけでした。

さらに、義両親の介護が始まりました。夫は長男で、義両親の近所に住んでいました。他にも姉や妹がいましたが、長男の嫁なのだから面倒見るのが当たり前と言う態度でした。結局、私が最後まで義両親の世話をすることになりました。仕事帰りにスーパーに寄り、義両親の家で料理を作り、翌日の朝ごはんの用意までして帰る毎日でした。夫の家でテレビを見ているだけで、何もしてくれません。そして自分の食欲を満たすと今度は私に触ってくるのです。そんな生活に我慢ができなくなり、私は夫に「もう触らないで」と言い放ちました。

しかし、夫はなぜ私が拒絶するのか理解していない様子でした。ある日、夫がリボンをかけた箱を渡してきました。「何かしら?」と期待して開けてみると、大人のグッズでした。夫は「これを使って気分転換になるかなと思って」と言いました。その言葉を聞いた瞬間、私は夫に対する気持ちが完全に冷めてしまいました。「いい歳して何考えてるのよ。」と怒鳴りつけました。
ただ、しばらくするとまた夜の相手を求めてくるようになりました。いい歳して全然衰えないのです。「これも愛されているから仕方ないのかな」と自分に言い聞かせて我慢するしかありませんでした。

 そんなある日、夫の服を洗っていると洗濯ものの中にレシートが入っていました。夫はポケットによくゴミを入れたまま洗濯機に放り込みます。ティッシュなんて入れてたら本当に怒りが収まらなくなるのですが、今回はレシートのようでした。正直文字が消えかけており、商品名が何かは分かりませんでした。ただ、金額が数万円もしていましたので、もしかして私の誕生日+定年のお祝いをサプライズでプレゼントしてくれるのかなと思い、それから数日間は嬉しくてかなり夫に対し優しく接したような気がします。

定年の日は、私は職場で花をもらい、その日は最後の挨拶を同僚にして帰宅しました。途中自分へのご褒美にケーキを買いに行きました。すると、目の前に夫が歩いていました。隣には若い女性が歩いており、そのまま喫茶店へ入って行きました。私は夫に気付かれないように後をつけ、隠れて確認しました。夫はあまり見ることのない笑顔でその女性と話していました。仕事の相手かも知れない。そう思いつつ、先に家に帰りました。

しばらくして帰ってきた夫は、まったく私の誕生日、定年のことを覚えてない様子でした。
「ねえ、何か言うこと無いの?」
「え?」夫が頭をフル回転させているのがわかりました。
「誕生日おめでとう」そういう夫に私は手を差し出しました。
「え?なに?」
「プレゼントは?」
「ごめん、今度の週末までには用意しておくから」と夫は狼狽えていました。
「じゃあ、このレシートはなに?」と叫ぶと、夫の顔から笑顔が消え顔が引きつっていました。
「今日一緒にいた若い女は誰?」
「み、みてたのか」夫は膝から崩れ落ちました。

夫に全てを白状させました。一足先に退職していた夫は退職金を使い、最近パパ活をしだしたとのことでした。スマホのアプリで、実際に若い女性と会っていたのです。夫は「まだ何もしていない」などとほざいていましたが、私はその言葉に怒りを覚えました。
「してるしてないは関係ないのよ、いい歳して気持ち悪くないの?」と叫び、夫に物を投げつけました。

夫は「おまえが相手をしてくれないからだろ」と逆に私のせいだと言い出しました。その言葉を聞いた瞬間、私は夫に対する愛情は全て無くなりました。私は子どもたちに連絡をし、すぐに熟年離婚をすることを決めました。子どもたちは驚きましたが、理由を聞かなくても私の味方をしてくれました。
子どもたちはお母さんに謝るよう説得していましたが、夫も折れる事なく本当に離婚することになりました。
 正直、離婚の際には財産分与などでいろいろと少し揉めましたが、最終的に私は出ていきました。私も定年まで働いていたため年金も65歳から満額でます。何もしない夫は確実に子どもたちを頼るとは思っていましたが、子どもたちに本気で怒られ案外一人で家事を頑張っているみたいです。私はようやく夫から解放され、平均寿命まであと20年、自由で楽しい人生を送ろうと思っています。

YouTube

タイトルとURLをコピーしました