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添い寝~酔いつぶれた後輩を介抱したら~

いつまでも若く年の差純愛

「え~?先輩、私を連れ込んだんですかぁ?エッチですねぇ」酔っ払ったままトロンとした目で俺を見上げる後輩の伊藤真紀。その無邪気な一言に、俺は頭を抱えていた。
「ちょっ!違うって!ほら、送ってやるから早く起きてくれ!」心の中では全力で否定しているが、目の前でソファに横たわる彼女はまるで聞く耳を持たない。
「え~、無理です~。ここでもう寝ます~。ほら、先輩も一緒に寝ましょうよ。ほらほら、添い寝してあげますから!」
「そ、添い寝?」とアタフタしている間に、彼女は本当にそのまま寝息を立て始めて寝てしまった。
「もう…勘弁してくれよ…」俺は毛布を掛けてやり、彼女が再び何か言い出さないかと確認しつつ、そのまま床にゴロンと横になった。
だが、どうして俺がこんな状況に陥ったのか…。話は少しさかのぼる。

俺の名前は高田直也、30を過ぎた平凡なサラリーマンだ。
「真面目で堅実」と人にはよく言われるが、それは表向きの姿に過ぎない。
実は俺には、どうしても人には言えない隠しておきたい趣味がある。それは、あるキャラクターのオタクということだ。俺の部屋の奥には「趣味部屋」がある。壁一面にはキャラクターのポスターが所狭しと貼られ、棚にはぬいぐるみやグッズがずらりと並んでいる。特にお気に入りのポスターは、キャラクターが明るい笑顔で手を振るデザインで、毎日それを見るだけで癒される。ぬいぐるみも大小様々で、部屋の隅には特注のディスプレイケースが置いてある。この趣味は俺にとって心の癒しであり、毎月使っていい金額を決めて地道に楽しんでいる。しかし、こんな恥ずかしい趣味を誰にもバレるわけにはいかない。だから誰にも「家に遊びに行きたい」なんて言わせないよう、同僚と深く付き合わないようにしているのだ。
基本的に人と深く付き合ったりしたくないので、忘年会の参加なんて本来は断固拒否したいものだ。しかし、今年は上司に押し切られてしまった。
「部の一員として協力しろ!」というお決まりの説教に負け、仕方なく参加することになったのだ。会場は典型的な居酒屋だった。上司は例年通りのご機嫌で、全員のコップに次々と酒を注ぐ。飲め飲めと、アルコールハラスメントが繰り広げられる。
「ほら、高田も飲め!」と、俺のコップにビール、日本酒、焼酎が次々に追加されていく。普段からほとんど酒を飲まないのに、断ることもできず、次第にベロンベロンになっていった。
宴会がようやくお開きとなり、俺はふらつきながら出口へ向かったところで、隅でぐったりしている真紀の姿を見つけた。真紀は普段から明るくて快活な職場の人気者だ。俺に積極的に話しかけてくれる数少ない後輩でもある。しかし今、その彼女が完全に酔い潰れていた。近くの同僚に声をかけたが、みんな酔っ払って周りを気にしていない。
「しょうがねぇな…」とため息をつき、彼女を起こそうとしたが、うっすら目を開けただけでまた閉じてしまう。タクシーに乗せて送りだそうと試みたが、行き先を伝えるどころか反応すら鈍い。運転手にも断られ、仕方なく俺の家に向かってもらうことにした。彼女を肩に担ぎ、自分の家で一休みさせることにしたのだ。
「大丈夫だよな…これが問題になることなんてないよな…」と頭を抱えながら。俺の家に到着すると、真紀をソファに寝かせた。ようやく落ち着いたと思ったその瞬間、自分の趣味部屋の存在が脳裏をよぎった。
「あの部屋だけは見られたら終わりだ!」と、酔いが一瞬で覚める。急いで襖に突っかえ棒をして、趣味部屋を完全に封鎖した。真紀に水を飲ませ、自分もひと息ついて座ると、真紀がトロンとした目で俺を見上げてきた。そして、あの「エッチですねぇ」という一言が飛び出したのだ。

その後、彼女はぐっすり寝てしまったが、仕方なく毛布を掛け、彼女の寝顔を見ていたら、気付いていたら俺も床で寝てしまっていたようだ。
朝、目が覚めて横を見ると真紀がスースーと寝息を立てて寝ている。
「はぁ。呑気なもんだな」とため息をつきながら俺は浴室に向かいシャワーを浴びた。そして上がってきて着替え終わると同時に、最悪の展開が待っていた。
「キャー!すごい!」という声が家中に響いたのだ。
慌てて浴室を飛び出すと、趣味部屋を開けた彼女が、ポスターやグッズを見て大興奮していた。
「ちょっ、なんで開けてるんだよ!」と責める俺に、真紀は悪びれず、にこにこしながらこう言った。
「え~、かわいいじゃないですか!こういうのが好きなんですね!」
俺は頭を抱えながらも、どこか安心していた。真紀がそれを肯定的に受け入れてくれるとは、正直、思っていなかったからだ。真紀はポスターを見ながら、ふと呟いた。
「先輩って、本当に優しい人ですよね。前から思ってたんですよ」
「え?」と驚いた俺を見て、真紀は微笑む。
「今日もこうして私を放っておかないで連れて帰ってくれてるし、優しいなって」
その言葉に、俺はドギマギしながらも、何か温かいものが胸に広がるのを感じた。
俺はなんだかいたたまれなくなくなり、「ほ、ほら、送ってやるから準備して」と彼女に帰宅を促すも、彼女は俺の言葉を聞きもせず、「私、朝ごはん作りますよ!」と言って、俺の制止を振り切ってキッチンに立ち用意し始めた。
すると彼女は手際よく卵焼きとサラダ、お味噌汁を作り、あっという間に朝食が用意される。
「さあ、召し上がれ。どうです?私、先輩の奥さんになれるでしょ?」と、冗談っぽく言う彼女に、俺は「からかうなよ…」と苦笑いする。
だが、彼女は続けて「本気ですよ。今日も添い寝してあげましょうか?」
その瞬間、俺は「覚えてたのかよ…」と大きくため息をつきながらも、彼女の明るさに救われた気がした。
その日がきっかけになり、俺たちは付き合うようになった。そして、先日夫婦になった。俺の趣味部屋は、彼女のセンスで少しずつ変化を加えられ、さらに賑やかになっている。
「このキャラクターが好きだって知ってもっと好きになったよ」と今でも笑顔で言ってくれる彼女。

これが、俺たち夫婦の馴れ初めだ。

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