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初体験~スワッピング~

スワッピング系

「本当にいいのか?」静まり返った部屋で、私は声を絞り出した。妻の顔を見つめながら、心のどこかで未だに信じられないと訴えかけている。「うん、仕方ないよ。私じゃ駄目なんだし」涙目の妻が了承する。
 俺の名前は遠藤孝雄。どこにでもいるサラリーマンだ。結婚して20年が経ち、子供には恵まれなかったが、妻はその間も変わらぬ姿で、女性としての美しさを保っていた。だが俺はEDで悩んでいる。俺のEDは単なる身体の症状以上のものだ。それは自己否定感と無力感を日々深め、心を徐々に蝕む。医者や薬を試すことを何度も繰り返したが、期待する効果は一向に現れず、ただ時間だけが過ぎていった。 
そんなある時、仕事の付き合いで取引先の社長と飲む機会があった。彼は俺を非常に気に入り、意気投合し、酩酊するまで飲み明かした。
 翌日二日酔いで出社すると、昨日の社長から連絡があった。「早速、試してみるかい?一発で治るよ」と言われたのだが、まったく何のことか覚えてもいなかった。詳しく話を聞くと、酔った俺が社長に悩みを打ち明けていたそうだ。社長自身もEDに悩んでいたことがあり、今はそれを乗り切ったとのこと。
そしてその方法とは、夫婦を交換すること。そう、いわゆるスワッピングというやつだ。
聞いたことはあるが、実際に試した人がいるなんて。詳しく聞けば聞くほど、それで治るなら試してみたいという思いが強くなっていた。
 しかし、普通はそんな話を妻にすることができない。多くの日々を悶々と過ごし、なかなか話す機会が訪れなかった。意外なことに、その機会は妻からの誘いという形で突然訪れた。だがやはり俺はEDなのだ。妻に申し訳ない気持ち、情けない気持ちなどが相まって、不覚にも涙してしまった。それを見ていた妻は黙って俺を抱きしめてくれた。このままではいけない。俺は意を決して妻に社長との提案を切り出してみた。驚いたことに、妻はあまり大きな反応をしなかった。それどころか、「実は私も、最近親しい友達から同じことを言われたの」と彼女は静かに話し始めた。友達にまでそうした相談をさせてしまった自分への情けなさが胸を締め付ける。だが、妻の物悲しく潤んだ瞳を見ていると黙っていられなかった。「スワッピングを試してみたい」と僅かに震える声で切り出すと、妻はしばらく黙っていた。やがて妻は、震えるほど小さくかすかにしか聞こえない声で「うん」と答えた。
「本当にいいのか?」静まり返った部屋で、私は声を絞り出した。妻の顔を見つめながら、心のどこかで未だに信じられないと訴えかけている。「うん、仕方ないよ。私じゃ駄目なんだし」涙目の妻が了承する。

社長夫妻の写真を妻に見せ、ついに日程が決まった。その日が近づくにつれて、期待と不安で交錯する感情に満ちていった。何が待ち受けているのか、想像するだけで心臓が早鐘のように鳴り響く。俺のEDがどうなるのか明らかになるまで、落ち着かないだろう。だが、奥さんを寝取り、妻を寝取られる。この背徳的なシナリオを想像するだけで、不安と興奮が入り混じり、俺の病気はすでに治っていた。

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