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農家の嫁~息子の妻の魅力に抗えない

いつまでも若く禁断背徳

妻が入院してからというもの、家の中に微かな空気の変化が漂い始めていた。築50年の家は、一人には広すぎて、毎日が寂しさを飲み込む。日が沈むたびに冷える空気と、誰もいない静かな夜に包まれるのが、こんなにも辛いとは思わなかった。そんな中、息子の雄一とその妻・明菜が田舎に帰ってくることになり、家が久々に賑やかさを取り戻した。しかし、その日常が戻る安堵の影に、奇妙な感覚が忍び寄ってくることに、俺はまだ気づいていなかった。

 俺の名前は慎太郎。地元の銀行を定年まで勤めあげ、今は先祖代々の畑を守りながら農家として生計を立てている。収入のためではない。ただ、長年続けてきた畑の土の匂いが、どこか心を落ち着かせるからだ。雄一が戻ってきたのは思いがけない展開だったが、一人暮らしの身には本当にありがたかった。とはいえ、妻が退院するまでの間、明菜との二人きりの時間があることを考えると、胸の中に潜む感情が静かに蠢くのを感じてしまう。 そう、明菜は年齢の割に若々しく魅力的で、そして、あまりに無邪気で無防備な女性なのだ。彼女のふとした仕草や自然体の振る舞いが、どこか俺の感情を揺さぶる。彼女を息子の嫁として見ているつもりが、いつの間にかその境界が曖昧になってしまう自分がいる。 

「お義父さん、お茶を淹れましたよ。」 明るい声がリビングに響く。台所から顔を出した明菜は、無邪気な笑顔を浮かべている。淡いピンクのカーディガンから覗く鎖骨がやけに眩しく、あまりに無防備な姿に視線を逸らさざるを得ない。心がざわつく。見てはいけない、そう思っても目が勝手に追ってしまう。

 「ありがとう、明菜さん。」 俺はぎこちなく笑って返す。お茶を受け取る手が少し震えているのが自分でも分かる。息子の嫁に対して抱くべきではない感情が、自分の中に生まれていることを認めざるを得ない瞬間が増えてきた。息子のことを考えると胸が苦しくなるが、それ以上に明菜の存在が俺の理性を蝕んでいく。

  ある日、畑仕事を終えて家に戻ると、明菜がソファでくつろいでいた。薄手のワンピースが彼女の体に寄り添い、そのシルエットが視線を強引に引き寄せる。見てはいけない、と思うほど目は離せなくなり、心の中で自分を責める。息子の嫁なのに、なぜこんなにも心が揺れるのか。

 「疲れてますね、お義父さん。肩、凝ってるんですか?」 彼女が微笑みながら近づいてくる。無意識なのかもしれないが、その笑顔は俺の理性を試すかのようで、心臓が大きく跳ねた。彼女の指が俺の肩に触れるかと思うと、逃げるように立ち上がった。

 「いや、大丈夫だ。ありがとうな。」 俺は慌てて視線を逸らしながら答える。

触れられたい、でも触れてはいけない。この矛盾する感情が、胸の奥で荒れ狂う。明菜がそばにいるたびに、俺の心のバランスは大きく崩れそうになる。彼女の一挙一動がすべて、俺にとっては危険な引き金に感じられた。 

その日の夜、明菜とリビングで二人きりになった。雄一は取引先の打ち合わせで外食中だ。静寂が二人の間に漂い、俺はソファの端に座ったまま、持て余すようにテレビのリモコンをいじっていた。部屋に満ちる薄暗い光が、俺の心の中の暗い影を映し出すようで居心地が悪い。

 「お義父さん、何か見ますか?ドラマでも見ます?」 隣から明菜が話しかけてきた。柔らかい声が耳に触れるたびに、まるで誰かに背中を押されるような気持ちになる。言葉が喉に詰まって、うまく返せない。

 「いや、何でも良いよ…最近のドラマはよく分からんけど。」 テレビの画面に映る俳優たちよりも、隣にいる彼女の存在が気になって仕方がない。明菜が少し体を寄せてきた瞬間、俺は反射的に立ち上がってしまった。心の奥底で、彼女と距離を保つことが唯一の防衛手段だと感じている自分がいる。

 「ごめん、ちょっと水を…」 理由にならない言葉を絞り出し、台所へ逃げ込む。明菜は不思議そうに見送ったが、その無垢な視線がまた俺の心をかき乱す。何もしていないのに、なぜか罪悪感に苛まれているような気がする。

  数日後、入浴中に湯船に浸かっていると、扉の向こうから明菜の声が聞こえた。 

「お義父さん、入浴剤使いますか?この前もらったやつがあるんです!」 彼女の明るい声が扉越しに響く。心臓がドクンと跳ね、湯気の中で顔が熱くなる。これはただの親切だと分かっているのに、彼女の声には抗えない誘惑が潜んでいるように感じてしまう。湯気が目に染みるのは、湯船のせいだけではない。 

「いや、大丈夫だ、ありがとう。」 返事をしながらも、自分の声が震えているのが分かる。ドア越しの気配が妙に生々しく、気まずい沈黙が続いた。俺の心は、その一言で動揺の渦に巻き込まれた。

 「じゃあ、背中流しましょうか?」 その申し出はあまりにも自然で、悪意の欠片も見当たらない。しかし、俺にとっては刃物のように鋭い。あまりに唐突で、心の準備もないまま、理性の最後の砦が崩れそうになる。

 「いいから…自分でできるから、大丈夫だ!」 声が震え、少し語気が強くなってしまった。何でもないはずの会話が、まるで触れてはいけない感情に直に触れてしまったような錯覚に陥る。理性が、何とかその場をやり過ごさせてくれたが、胸の鼓動は痛いほど響いていた。

 雄一が帰宅すると、家の空気はいつものように穏やかに戻る。彼の存在が、俺の中の不安定な気持ちを多少和らげてくれるように思える。しかし、昼間の静かな時間帯に感じる明菜との距離感は、俺にとって危ういものだった。理性と感情の間で揺れる自分を抑えきれず、どこかで踏み外してしまいそうな恐怖が募る。

 「お義父さん、大丈夫ですか?」 明菜が不意に話しかけてきた。表情は柔らかで、彼女は本当に俺を心配しているのだろう。その優しさが、かえって俺の理性を試すかのように感じてしまう。

 「大丈夫だ。ただ、ちょっと疲れてるだけだ。」 俺は笑顔を作りながら答えたが、その笑顔は自分でも嘘臭くて、情けなくなる。明菜は気づかないふりをしてくれるが、その目の奥に浮かぶ無邪気さが、心をさらに締め付けた。

彼女のさりげない心配が、何でもない日常の一言一言が、俺の中の危うい感情をかき乱す。 これ以上踏み込んではいけない――何度も自分に言い聞かせてきた。明菜は息子の嫁であり、その事実だけが俺を現実に引き戻す最後の綱だ。しかし、日々募る感情に心が押し流されそうになる。彼女と過ごす時間が特別であり、禁じられたものであることを自覚しながらも、俺はその感情から逃れられない。どうしてこんな気持ちになるのか、自分でも理解できないが、明菜の存在が俺の中にある埋もれた何かを引き出してしまう。

  その夜、リビングの薄明かりの中で、俺はひとり座っていた。妻がいた頃は、何の変哲もない日常だった空間が、今は妙に広く、そして寒々しく感じる。明菜が淹れてくれたお茶の湯気が、ほのかに部屋を満たしている。あの香りが、俺の心をかき乱す。

 「お義父さん、まだ起きてたんですね。」 いつの間にか明菜がリビングに入ってきていた。彼女は俺の隣に腰を下ろし、少し疲れたように肩を落とした。照明の淡い光が彼女の顔を照らし、俺は言葉を失った。ほんの数センチの距離が、まるで橋のように感じる。渡るべきではない橋。しかし、無視できないほどの距離。

 「今日もお野菜、ありがとうございました。お義父さんのお野菜美味しいし助かってます。」 明菜の言葉は優しく、それだけに俺の心を打つ。俺はただ頷くことしかできなかったが、胸の奥で何かが溶けていくようだった。 

「ねぇ、お義父さん。」 不意に彼女が顔を向ける。その瞬間、俺は目を合わせられず、視線を床に落とした。これ以上、何を言われても、俺はもう耐えられないかもしれないと思った。 

「明菜さん、もう遅いから、休んだ方がいい。」 自分を抑えるように絞り出した声は、驚くほど弱々しかった。俺がどれほど彼女を遠ざけようとしているか、彼女はきっと分かっていないだろう。それでも、彼女の隣にいるだけで、俺の心は揺れ動いてしまうのだ。

 「おやすみなさい、お義父さん。」 そう言って、彼女は微笑んで立ち上がり、部屋を出ていった。俺は彼女の背中を見送ることしかできなかった。その姿が見えなくなっても、なお心臓は高鳴り続けていた。

  翌日の朝食時に雄一が不意に話を切り出した。 

「親父、俺、来週から1週間出張になったんだ。急で悪いけど、明菜のこと頼むわ。」 唐突に投げかけられた言葉に、俺は一瞬、頭が真っ白になった。明菜と二人きりの時間が増える…その現実が俺を突き刺す。

 「お、おお。大変だな。頑張ってこい。」 咄嗟にそう返したが、顔が引きつるのが自分でも分かった。理性と感情の狭間で揺れる俺には、この状況はまさに試練でしかない。雄一はそんな俺の心情には気づかず、笑顔で出発の準備を続けている。 

「お義父さん。よろしくね。」 明菜が明るい声で言った。その無邪気な微笑みが、俺の心を突き刺す。俺の中の理性の糸が、ピンと張り詰めていくのが分かる。 このままではいけない、分かっている。しかし、彼女の無邪気さが俺の弱さをどんどん暴いていく。次に何かきっかけがあったら、その一線を越えてしまうのではないか――そんな不安が頭をよぎる。 あぁ…明菜と過ごすその時間が楽しみであり、同時に恐怖でもある。彼女の一挙一動に心を揺さぶられ、理性と感情がぶつかり合う。拳を強く握り締めながら、俺は再び自分に言い聞かせる。これ以上は踏み込むな、越えてはならない線だと。しかし、その足はすでに一歩ずつ、禁じられた境界に近づいているのかもしれない。果たして、俺はこのままで無事に何事もなく過ごせるのだろうか。

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