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夫婦交換~親友の妻~

俺の名前は伊藤武史。20年来の親友である伊達守から、夫婦で食事に誘われていた。静かな日常は『今度の旅行で、夫婦を交換しないか?』という唐突な提案によって、波乱の展開へと突入した。
その夜、自宅のリビングで妻と向き合った武史は、慎重に言葉を選んだ。「さっきの話、どう思う?」彼の問いに対し、妻は淡々とした声で返答した。「楽しそうだし、良いんじゃない?」武史の表情は一瞬、安堵の色を浮かべたが、心の奥底では不安が暗く渦を巻いていた。彼が最も懸念しているのは、守の妻である恵子の存在だった。彼女の落ち着いた美しさと自然な魅力が、無意識のうちに彼の心を揺さぶっていた。
翌日、職場で守と再会した武史は、前夜の話題が頭から離れないままでいた。「奥さんはどう言ってた?」守の問いかけは軽やかだった。「楽しそうだし良いんじゃないってさ。」武史がそう答えると、守は計画を具体化し始めた。「じゃあ、来週の休みに早速旅行に行こうよ。」
家に帰り、武史は妻にその決定を伝えた。表面上は受け入れたものの、彼の心には不安が広がる。恵子のことを考える度に、彼の心は複雑な感情に包まれた。彼女の若々しい肌、色白で健康的な体、男心をくすぐる話術やスキンシップは、武史の理性を揺さぶるものがある人なのだ。
旅行の日、四人はそれぞれの車で同じ目的地へ向かった。守と武史の妻が先行し、武史は恵子と共に後を追う形になった。車中、恵子は窓の外を見つめながら、緊張している武史に対し静かに話し始めた。「武史さんはこんなことになって嫌でしたか?」
恵子の真剣な問いかけに、武史は心の中の思いを正直に吐露した。「正直、戸惑っているんですよ。恵子さん、美人過ぎるんで緊張してしまって。」恵子はこの告白に微笑み、少し和らいだ声で言った。「ふふふ、私も緊張しています。武史さんの優しさにずっと心を動かされていましたから。」
その一言が、二人の間の距離を縮めた。旅行が進むにつれて、彼らの会話は深まり、互いの理解も増していった。「今日は、デートだと思って楽しみましょ」と言いながら、武史の手を優しく握った。「ふふふっ、緊張しますね」恵子が繋いでいる手を振り回す。武史は頭が真っ白になり黙ってしまった。「駄目ですよ、奥さんのこと考えちゃ。今は私だけ見てください」といたずらっぽく笑みを浮かべる。「考えていないよ、君が魅力的すぎて」「ふふっ、嬉しい!」繋いだ手を頬につけながら言った。道中トイレ休憩などを挟みながら、束の間の恋人気分を味わっていた。このまま元の関係に戻れるのかなどと考えているうちに旅館が近づいてきた。「ああ、もう着いちゃった。残念だね」
そこには、守と妻が先に着いていて出迎えてくれた。「おうおう、遅かったじゃん。まあ部屋入って温泉でも入ってゆっくりしようぜ」と各自部屋に入った。もちろん、部屋は夫婦別で泊まる予定だ。
夕食後、武史の妻が彼に尋ねた。「どうだった?楽しかった?」彼は「あ、あぁ、なんか緊張したよ」と返答したが、その時、部屋のドアが開いて守と恵子が現れた。
「風呂行こうぜ」と守が提案した。その時、武史と恵子の目が合い、彼女は優しく微笑んだ。その瞬間、武史は自分の感情を抑えきれなくなることを悟る。このまま1日がすんなり終わるのだろうか。不安も感じていたが、それ以上に淡い期待がどんどんと大きくなっていた。

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