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未亡人~憧れていた義姉との出来事…

いつまでも若く禁断

「本当に良いんですか、響子さん……」 月明かりが薄く差し込む部屋で、彼女は微笑みながらうなずき、そっと俺の胸に体を預けてくれた。俺は思わずギュッと彼女を強く抱きしめた。

俺の名前は裕作。今日も義理の姉、響子さんの自宅を訪れていた。兄と俺と響子さんは家が隣同士の幼馴染で、兄と響子さんは俺が高校生の時に結婚した。10歳も年の離れた俺に、響子さんは本当の姉のように接してくれていた。

だけど、本当は物心ついた頃から俺は響子さんのことが大好きだった。幼稚園時代には「僕のお嫁さんになって」と高校生の響子さんに宣言していたくらいだ。だから二人の結婚が決まったとき、俺は上辺では祝福していたが、実は内心ものすごく嫉妬していた。兄のことは好きだったけど、どうして?という嫉妬心と、祝いたいという気持ちとでうまく接することが出来なくなっていった。俺は徐々に二人と距離を取るようになり、そして、その心を隠したまま歳月は過ぎていった。

二人が結婚して10年目に、響子さんのご両親が事故で亡くなってしまった。そしてその悲しみも癒えない中、翌年には兄も病気で亡くなってしまった。彼女の絶望は誰が見ても明らかで、普通に生活することがままならないほどのショックを受けていた。彼女は放っておくと食事すらしない。俺に出来ることはたかが知れてはいたが、俺はそれからほぼ毎日のように彼女の元を訪れ手助けしていた。
・・・
明日で兄が亡くなってもう3回忌だ。あっという間だった。俺は今日も響子さんの元へ訪れる。
「裕くん、いつもありがとうね。」響子さんは言う。 彼女も夫を亡くしてから丸2年が過ぎ、絶望の日々からようやく立ち直りつつあった。

「いつもいろいろありがとうね。もう大丈夫だよ」
「そっか、良かったぁ!」
それを聞いて安心したのと同時に、もう来てはダメだと言われているような気がして急に寂しさが襲い掛かってきた。
「裕くん。どうしてそこまでしてくれるの?」
「……」

俺は響子さんにどうしても言えないことがあった。
俺は二人のことを祝っていたのに、心の奥底のどこかで兄なんていなければ良いのにと思っていた。そして、そう思っていると兄が本当にいなくなってしまった。それで嬉しかったのかというと、そんなことあるはずない。なのに、響子さんのそばにいられると思ってしまった罪悪感でずっと心が苦しかったのだ。それなのに俺は彼女のそばにいたいと思ってしまっている。俺はずっと自分に対する嫌悪感を背負っていた。

「すみません……」いろんな思いが込み上げ、俺はつい響子さんの前で涙を流してしまったのだ。 「どうしたの?」優しくされると余計に涙が湧いてくる。俺はついに我慢が出来なくなり、物心ついた頃から響子さんのことが好きだったこと。祝ってあげたいのに、祝えなかったこと。兄なんていなくなればいいのにと思ってしまったこと。そして、それが現実に起こってしまったこと。なのに響子さんのそばにいられて嬉しいこと。こんな自分にずっと嫌悪感を抱いていること。など、洗いざらい自分の気持ちを彼女にさらけ出してしまった。

響子さんはずっと黙って聞いてくれていたが、「裕くん、ごめんなさい」同じように響子さんも涙ながらに謝る。
「裕くんが私のことを思ってくれているのは、気付いてたの。
裕くんも辛いのに私自分の事しか考えられなくて」
「私の方こそ、裕くんに甘えてた。そこまで辛い思いをさせてしまっていたなんて……本当にごめんなさい」
「響子さんは悪くないですよ!僕が勝手に思っていたことですから」
「ううん、裕くんは何も悪くないよ。その証拠に……」
「え?」
「裕くんは今でも私のことが好きなの?」
「はい!」
「私……もうすぐ40歳なんだよ?」
「僕と同い年くらいにしか見えないくらいキレイです!!」
「祐くん…じゃあ、これからも一緒にいてくれる?私、もう裕くんがいないとダメになっていたみたい……」

「本当に良いんですか、響子さん……」
「…うん」
「二人で乗り越えていこう!こんなおばさんですがよろしくお願いします!」
響子さんは微笑みながらうなずき、彼女は俺の胸に体を預けてくれた。そして、俺はギュッと強く彼女を抱きしめた。20年分の想いが満たされ、そしてそのまま彼女と愛し合った。
兄の死から2年が経ち、俺たちは気付かないうちにお互いのことで心が埋められていることにようやく気が付いたのだった。
二人はようやく心が安らいで眠りにつくことが出来ていた。

「響子のことを頼んだぞ」 朝方、枕もとで誰かに声を掛けられた気がして、俺は「ハッ」と目が覚めた。隣では響子さんがスースーと寝息を立てて眠っている。俺はそっと彼女の手を握りしめ、天国にいる兄に(任せといて!)と心に誓った。

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