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息子の嫁~うちの息子がすまないね

いつまでも若く禁断

「うちの息子がすまないね」 私のバカ息子は、こんなにもキレイな若妻を放ったらかして遊び歩いている。亜理紗が泣いている姿を見て、私は心が痛む。 「お義父さん、もう限界なんです」 亜理紗の目には涙が溢れ、声は震えていた。

私の名前は正志。昨年定年し、一人暮らしをしている。妻は5年前に他界した。老後は二人で日本中を旅行しようと計画していたのに、その夢は叶わなかった。家事もろくにできない私は、妻がいなくなってからは大変だった。

そんな私を見かねた息子が、私の敷地内に家を建てた。息子は「心配だから」と言っていたが、実際は土地代がかからないのが理由だろう。実際、息子に世話をしてもらったことなんて一度もない。いつもお世話になっているのは息子の嫁、亜理紗さんだ。彼らは結婚10年目の35歳だが、子供はいない。直接聞いたことはないが、あまり盛んではないのかもしれない。

亜理紗さんは美人で気さく、さらに家庭的な女性だ。彼女の笑顔を見るたびに、私の心は温かくなる。いつも私のために食事を用意してくれる。その仕草や行動から彼女の優しさが伝わってくる。掃除や洗濯までも手伝ってくれるその姿に、私は彼女の真心を感じていた。

彼ら夫婦は最初のうちは新居と言うこともあり、息子も早く帰宅していた。しかし、半年も経つと息子の帰りはどんどん遅くなり、夫婦で一緒にいる姿を見ることがほとんどなくなっていた。たまにケンカしている声も聞こえてくる。最近は夫婦仲があまり良くないようだ。

ある日、いつも食事を持ってきてくれる亜理紗さんが今日は家に持ってこなかった。少し気になり窓から家を覗くと、亜理紗さんの車はあるのに家の電気が付いていない。なんとなく胸騒ぎがした私は玄関のドアを引っ張ると鍵が開いていた。 「亜理紗さーん」 声を掛けても返事がない。 「上がるよー」 電気をつけて玄関を上がる。リビングにはいない。2階に上がっても彼女はいない。おかしい、心拍数が上がる。家じゅう探し回ると、彼女はお風呂で倒れていた。
「亜理紗さん!」 亜理紗さんの濡れた体は冷たく冷えきっていた。声を掛けても、「ああ、うう」と、かすかな声が漏れるだけだ。その光景に、私の胸は張り裂けそうだった。すぐさまバスタオルで彼女の体を拭き、風呂場から救出した。救急車を手配し、息子にも電話したのだが、息子は電話に出ない。
すぐに救急車が到着し、私は一緒に付き添った。病院に到着し、処置中の間にも電話を掛けるが息子は一向に電話に出ない。数時間後、先生が出てきて説明があった。脳卒中だったとのこと。もう少し処置が遅ければ命が危なかったという。詳しく調べないと分からないが、今は安静にしていれば大丈夫とのことだった。

その後、ようやく息子から電話があった。 「どこにいるの?」と間抜けな声で息子は言った。 「何度も電話してるだろ?今、救急車で亜理紗さんが運ばれたんだ!」 「え?それで何が悪いの?」 「脳卒中だ!今は安静にして寝ている」 こいつは本当に自分の息子か?と思いたくなるほど危機感がなく、イライラして大声を出してしまった。看護師に注意され、帰ったら説明すると伝え、電話を切った。

その後、入院の準備をしに帰宅したが、息子はのんきに飯を食っていた。 「大丈夫なんでしょ?」 障害が出るかもしれないことを伝えても、息子はどこか完全に他人事のようだった。

翌日の朝一に入院の準備を持って病室に向かうと、彼女は目を覚ましていた。 「お義父さん」
良かった。話すことは問題ないようだ。その日から毎日お見舞いに行ったが、息子が見舞いに来たのは一度だけだった。その後彼女は順調に回復し退院した。が、少し左足に麻痺が残っていた。それもこれからリハビリを続ければある程度回復するだろうとのことだった。

明日からは通院でのリハビリだ。
「お義父さん、いつもありがとうございます」 「あぁ、大丈夫だ、何でも言ってくれ」 彼女に肩を貸し、助手席に案内する。彼女の柔らかな香りが私を刺激する。それからの毎日は、彼女のリハビリに付き合う日々だった。毎日のように一緒におり、彼女の代わりをこなす日々だった。それが大変ではあったが、彼女と一緒にいれることに喜びを感じていた。彼女の胸中を思うと心は苦しいのだが、リハビリ中は彼女との距離も近く、私は彼女のぬくもりを感じるたびに胸が苦しくなりはじめていた。

そんなある日、亜理紗が私へのお礼にプレゼントを用意してくれていた。 「お義父さん、いつもありがとうございます」 「おお、日本酒か、ありがとう」 亜理紗が屈託のない笑顔で私を見つめている。が、その時、突然亜理紗は涙を流しだした。
「私たち、離婚するかもしれません」 詳しく話を聞くと、バカ息子は家賃代が浮いた分でよそに女を作って遊び惚けているとのことだった。

「うちの息子がすまないね」 私は再び息子の行為を詫びる。
「亜理紗さん、ずっとここにいてくれていいからね」
「…お義父さん」 亜理紗は今まで溜まりに溜まったものが溢れたのか、泣き崩れた。 「大丈夫だよ」 彼女の肩に手を置くと、彼女は私の胸で泣いた。どれくらい泣いていたか分からない。私は彼女を抱きしめたい欲求にかられながらも、必死に冷静さを保っていた。そして彼女はそのまま泣きつかれて寝てしまった。

翌日、 「おはようございます、お義父さん」
思いっきり泣いてスッキリしたのか、眩しい笑顔だった。彼女の笑顔をみて、私はすでに亜理紗さんに心を奪われているのをはっきりと理解した。 「昨日はごめんなさい」
「いろいろ考えたんです。私、お義父さんがいればそれでいいかなって、今は思っています」
「ここに居てもいいですか?」

「ああ、もちろん」
その時の亜理紗の嬉しそうな顔を見て、
(あぁ、この時間がずっと続くように)と私は強く願っていた。
今度気晴らしに旅行でも連れて行ってあげようと心の中で考えていた。

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