ゆあ

いつまでも若く

隣の声に触発された妻

結婚して十年が過ぎた頃から、なんとなくそういう雰囲気がなくなっていた。きっかけは思い出せない。ただ、気づけば俺と奈央の間には、そういう時間がほとんどなくなっていた。夫婦仲が悪いわけじゃない。奈央は相変わらず俺に優しいし、家のこともちゃんとし...
いつまでも若く

酔ったふりをして…

旅館の宴会場は、酒と笑い声で満ちていた。酔いが回り始めた社員たちは、上司だろうが後輩だろうがお構いなしに酒を注ぎ合い、誰もがいい具合に出来上がっている。 河合太一は、そんな喧騒の中で少しだけ居心地の悪さを感じていた。営業成績上位者が招待され...
いつまでも若く

親友の頼み

「頼む……お前に託したいんだ」病室の薄暗い光の中、清水さんの声はかすれていた。酸素マスク越しの言葉は、途切れがちで、それでもはっきりと耳に残った。清水さんとは、俺が高校を卒業して上京し、今の和食チェーンに入社した時からの付き合いだ。店長とし...
いつまでも若く

お酒で豹変する彼女

取引先の社長に誘われて、高級料亭の個室に通されたのは、仕事帰りの夜だった。営業の仕事をしていると、こういう接待の場には何度も足を運ぶことになる。だが、この夜ばかりはいつもと様子が違った。社長は上機嫌で酒をあおりながら、開口一番、俺にこう言っ...
シニアの恋愛は60歳からチャンネル様

一緒にお風呂に入ることに

私の名前は神田毅、62歳です。この歳になっても、まだ現役で働いています。長年勤めた会社で、それなりに責任のある立場を任されているので、定年後ものんびりとはいかず、毎日忙しく過ごしていました。妻の美智子とは結婚して三十六年。二人の子供も巣立ち...
いつまでも若く

義母~妻がいない夜

「しばらく、お世話になりますね」麻美さんは微笑んだ。49歳とは思えないほど若々しく、肌に張りがあり、整った顔立ちは上品な色気をまとっていた。美香と結婚する前から、「義母にしては綺麗すぎる」と思っていたが、義母は義母であり、特別な感情を抱くこ...
シニアの恋愛は60歳からチャンネル様

家が揺れている!

私の名前は大川拓郎、61歳です。会社勤めを終えた今は、のんびりと畑仕事をしながら静かな日々を送っています。妻の弥生とは結婚して35年。二人の息子も独立し、夫婦二人きりの生活にはすっかり慣れていました。そんな平穏な日々を一変させたのは、あの震...
いつまでも若く

看護婦

俺は結婚を諦めた男だ。もう42にもなると、周りの奴らはほとんど家庭を持ってる。昼休みになると、同僚がスマホで子供の写真を見せ合い、「うちの息子がさ~」とか「最近、娘が生意気でさ」とか、そんな会話が当たり前になっていた。俺は適当に相槌を打ちな...
いつまでも若く

義理の兄

あの日のことは今でもはっきり覚えています。外は曇っていて、雨が冷たく感じるほどでした。そんな中、突然の衝撃の知らせが舞い込んできたんです。夫がトラック事故に巻き込まれ、亡くなったというのです。その瞬間、何が現実で何が夢なのか、全く分からなく...
シニアの恋愛は60歳からチャンネル様

夜中の逢引

私の名前は本田啓介、61歳です。定年を迎えた私は、長年勤めた会社を去り、ぽっかりと空いた時間をどう埋めればいいのか分からずにいました。仕事一筋で生きてきた私にとって、何もしない日々は、どこか落ち着かないし、忙しそうにしている妻の横でだらける...
いつまでも若く

無我夢中だった

篤志が実家に帰るのは、数年ぶりだった。久しぶりの田舎の空気は、東京での日々に慣れた体にはどこか心地よくもあり、同時に少しばかりの居心地の悪さも感じさせた。仕事に追われ、何年も帰ってこなかったが、だからといって地元に特別な未練があるわけでもな...
いつまでも若く

大人になったね

週末の夜、会社帰りにふと立ち寄ったバーのカウンターで、俺は一人グラスを傾けていた。ビルの窓には雨のしずくが流れ落ちている。天気予報では晴れだったはずなのに、夜になって突然降り出した。俺は傘を持っていない。帰るタイミングを逃し、ダラダラと酒を...
いつまでも若く

泊って行ってよ

会社を出ると、すっかり日が落ちていた。地方都市の夜は静かで、ビルの窓に映る光がなんとなく心細さを助長する。俺は深いため息をつきながら、スーツのポケットからスマホを取り出し、時間を確認する。——19時過ぎ。俺は一人で飯を食うのが当たり前になっ...
シニアの恋愛は60歳からチャンネル様

夫がいるのに、抗えない夜

私の名前は岩瀬裕子、59歳です。結婚して35年。夫は60歳で定年退職し、今は63歳になりました。私は今、パートに出ています。夫の年金を満額もらえるようになるまで、少しでも生活費を補うためです。夫も定年後に何度かアルバイトを始めました。でも、...
いつまでも若く

私は全て義父に奪われた

村瀬春香は助手席で静かに膝の上のハンドバッグを見つめていた。「もうすぐ着くよ」運転席の夫が穏やかな声で言う。今日は義父の伸一が60歳で定年を迎えるため、その祝いに帰省している。年に何度も訪れている場所だが、春香はこの家に近づくにつれて胸がざ...
シニアの恋愛は60歳からチャンネル様

俺の体力は底なし

私の名前は、多田行彦。65歳です。まだまだ若い者には負けていられません。自分で言うのもなんですが、五十代前半に見られることが多いです。もちろん、髪の毛を染めているおかげもありますが、何より体を鍛えています。今でもフルマラソンを走ることができ...
シニアの恋愛は60歳からチャンネル様

外人はやっぱりすごい

私の名前は徳田昭雄、61歳です。妻の名はマリー、五十八歳。そう、彼女はアメリカ人です。アメリカ人といっても、日本で生まれ育っていますので、日本語は完璧です。むしろ、関西弁が染みついていて、話し方だけ聞けば生粋の日本人に思えるほどです。ただ、...
いつまでも若く

秘密の時間

金さえあれば、何でも自由にできると思っていた。 俺は二十代の頃からFXにのめり込み、寝る間も惜しんで相場と向き合ってきた。時には大きく勝ち、時には絶望するほど負け、そうやって波乱万丈な日々を過ごしながらも、気づけばまとまった資産を築いていた...
いつまでも若く

四十路

雨音が窓を叩き、部屋の中に微かな振動をもたらしていた。夜の静寂を破るその音だけが、二人のいるこの小さな世界を包み込んでいる。振り返ると、直美が僕の肩にもたれ、安らかな呼吸を繰り返していた。その表情は穏やかで、美しく、そしてどこか無防備だった...
いつまでも若く

されるがままに

「本日から担当させていただきます。渡辺です」俺は、聞き覚えのあるその声に、思わず硬直した。嘘だろ――?ベッドに横になったまま、ゆっくりと視線を向ける。そして、目を疑った。ドアの向こうに立っていたのは、間違いなく4年前に別れた元妻、真由だった...