いつまでも若く

昼下がりの情事

昼休み、俺はいつものようにコンビニのイートインスペースにいた。 ツナマヨおにぎりと唐揚げ棒、それに缶コーヒー。簡単な昼飯だけど、営業の合間に食べるにはこれくらいがちょうどいい。 ぼんやりと窓の外を見る。視線の先には、公園のベンチにぽつんと座...
シニアの恋愛は60歳からチャンネル様

水着姿にドキドキ

私の名前は後藤武史です。定年退職してから、私はずっと家にいるようになりました。最初のうちは自由を満喫していました。朝は好きなだけ寝て、昼はテレビを見ながらのんびり食事をする。会社に通っていた頃に比べたら、夢のような生活です。しかし、その生活...
いつまでも若く

ふたりきりのオフィス

夜の冷えた空気の中、玄関の前でポケットに手を突っ込んだ瞬間、嫌な予感が走った。「あれ…?」鍵が、どこにもない。慌ててカバンを開け、中身をひっくり返すように確認するが、やっぱりない。鍵の重さがないままスルリと通り抜けていく手の感触に、背中がひ...
いつまでも若く

一緒に寝よ

夜の静寂を破るように、インターホンが鳴った。俺はソファで参考書を開いたまま、ぼんやりとその音を聞いた。こんな時間に、誰だ?スマホの画面を確認すると、夜中の 11時57分。「…まさか」心当たりは、一つしかなかった。ため息をつきながら玄関へ向か...
シニアの恋愛は60歳からチャンネル様

全てがはじめてなんです

私の名前は伊藤孝枝と申します。先日60歳になりました。つい最近まで、雇われですが美容整形の医師をしていました。自分で言うのも何ですが、見た目はかなり若いほうだと思います。おそらく同年代の女性たちと並んでも、少しは自信を持てるくらいには。それ...
いつまでも若く

婿の父がまさかの

「お母さん、話があるの」休日の午後、私は夜勤明けでぼんやりしながらコーヒーを飲んでいた。娘の麻衣子が、いつもと違う真剣な表情で私の前に座る。「どうしたの?」「……結婚したい人がいるの」私は一瞬、カップを持ったまま動きを止めた。「え?」「うん...
シニアの恋愛は60歳からチャンネル様

初めて入ったのに、どうして

私の名前は根室敦子、もうすぐ59歳になります。夫とは結婚して35年近くになります。子どもたちは独立し、今は二人で静かに暮らしています。今回は久しぶりに用事があり私の実家へ行くことになりました。両親も高齢になり、なかなか頻繁には顔を出せなくな...
いつまでも若く

「パパ」

カフェの窓際の席に座りながら、平山宗太は窓の外をぼんやりと眺めていた。小雨が降り出し、舗道のアスファルトがしっとりと濡れている。傘を差す人もいれば、慌てて駆け込む人もいる。寒くなってきたな、と思いながら、手元のコーヒーカップを持ち上げた。口...
いつまでも若く

一夜の関係

一通のメールが届いた。 仕事を終え、いつものように缶ビールを開けた直後だった。 何気なくスマホを手に取り、 送信者の名前を見た瞬間、手が止まった。「田中恵子」 心臓が小さく跳ねる。指の動きが遅くなるのを自覚しながら、メールを開いた。「主人は...
いつまでも若く

身も心も支えてくれた同僚

数年前に両親が次々と病に倒れ、ひと段落着いたところに今度は、妹夫婦が事故で亡くなった。気づけば、俺の隣には12歳の柚希だけが残されていた――まるで、すべてが崩れ去った後に差し込む一筋の光のように。俺の名前は勇樹、41歳。つい数年前までは、普...
いつまでも若く

訳あり

「ねぇ、あんた。結婚はしないの?」仕事を終えて帰宅し、いつものように缶ビールを開けた瞬間、スマホが鳴った。画面には「母」の文字。何の気なしに出ると、いきなりこの話題だ。「……なんだよ、急に」「だってもう36でしょ? 相手もいないの?」「いな...
いつまでも若く

親友の妹

「斉藤、頼む。ちょっと話を聞いてくれないか?」いつもの拓海からの電話。仕事帰り、疲れて自宅のソファでぐったりしていた俺の耳に届いたその声は、どこかいつもより切迫感があった。「どうした?なんかあったのか?」「いや、今回はちょっと別の話で」「別...
いつまでも若く

妻公認の仲

玄関のドアが勢いよく開く音がした。俺はリビングのソファから顔を上げ、そこに立つ人物を見て息をのんだ。佐奈が、二人いる。「…ただいま」二人が声を揃えて言う。その声の高さも、言葉の間の取り方も、息の使い方すら同じだった。俺は目を瞬かせるしかなか...
シニアの恋愛は60歳からチャンネル様

熊だとおもったらあの声

私の名前は逸見真理、61歳です。夫の定年後二人でよくキャンプをするようになりました。もともと私はアウトドアにはあまり興味がなくて、どちらかといえば旅館やホテルでのんびりするほうが好きでした。でも、夫が意気込んでいたので、最初は半ば仕方なく付...
いつまでも若く

知らない女

ピンポン。リビングでだらけたままテレビを見ていた俺は、不意に響いたインターホンの音に驚き、ソファから身を起こした。こんな時間に誰かが来る予定はないし、宅配の予定もない。少し警戒しながらモニターを覗くと、見知らぬ女性が立っていた。ロングコート...
シニアの恋愛は60歳からチャンネル様

妻には言えない秘密

私の名前は本多智雄、60歳です。つい先日、40年近く勤めた会社を退職しました。 長年働き続けてきた身としては、もう少し「晴れ晴れとした気持ち」になるかと思っていました。ところが、実際に会社を辞めてみると、何とも言えないぽっかりとした虚無感が...
シニアの恋愛は60歳からチャンネル様

周りに人がいるのに

私の名前は丸山真理子、58歳になりました。先日、夫の伸一が60歳を迎え、定年退職をしました。長年頑張って来た夫は「しばらくはゆっくりする」と言っていましたが、すぐに嘱託として働く予定にしているみたいです。年金が入るまでは頑張ってくれるようで...
シニアの恋愛は60歳からチャンネル様

女将との情事

私の名前は武田国治、62歳です。定年までは大手チェーン店で店長をしていましたが、定年を迎え、今は地元の小料理屋で板前として働いています。そのままチェーン店で雇用してもらうこともできたのですが、長時間労働は変わらずで給料は下がるという状態にな...
いつまでも若く

妻の妹~妻の代わりに

フライパンの中でジュウジュウと音を立てる野菜炒めを見つめながら、俺は深いため息をついた。彩りだけは悪くない。キャベツ、人参、玉ねぎ、ピーマン、豚肉。見よう見まねでそれなりに切り、炒めたつもりだったが、味付けがまるでわからず、適当に塩を振った...
いつまでも若く

運命の導き

「俺と結婚してください!」会場が一瞬にして静まり返った。あまりに突然だったから、俺自身も驚いた。けど、その瞬間、もう引き返せないと思った。言わなければ、このタイミングを逃してしまう。そう感じたんだ。彼女と目が合った時、頭の中に今までの全てが...