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本家の縛り~叔父の子を産めと強要してくる姑

いつまでも若く恐怖背徳裏切り

重く押し寄せる夏の空気の中、あゆみは心の中の小さな棘が少しずつ大きくなるのを感じていた。いつものお盆休みが、今年は特に重く感じる。田舎の大きな家には、夏の日差しが強烈に照りつけ、セミの鳴き声が耳を打つ。あゆみは専業主婦で、夫はサラリーマンの課長を務めている。仕事は順調で、夫婦仲に大きな問題はない。ただ、二人の間に子供ができないという事実が影を落とし、あゆみの心には常に不安が渦巻いていた。このまま子供を産める年齢を過ぎてしまうのではないか—その恐怖が、日々彼女を蝕んでいる。

 夫の実家は田舎で、由緒正しい地主の家柄だ。清宮家という名前には重みがあり、跡取りを作ることが当然のように求められていた。だが、その役割を果たせない現実があゆみを押しつぶしそうになっていた。今年のお盆も例外ではなかった。義母の厳しい言葉が、あゆみの心に突き刺さる。
「ねえ、あゆみさん、子供はまだなのかい?」
あゆみはうつむき、小さく「すみません」と答える。今年もまた、義母からの追及が続くのだろうと覚悟していたが、義母の言葉はいつも以上に刺々しく、冷たかった。
「そんなこと言ってると、もう時間がないでしょう?」
反論する気力もなく、あゆみはただ耐えることしかできなかった。その日の夜、夫が風呂に入っている間に、義母に呼び出された。
「…あゆみさん、ちょっと話があるから、こちらに来てちょうだい。」
義母の声はいつもよりも冷たく響く。あゆみが義母のもとへ向かうと、そこには義父の弟、つまり夫にとっての叔父が座っていた。あゆみは一瞬、自分が呼ばれた理由が分からなかった。
「ここに座りなさい。」
義母が命じるように言う。あゆみはおそるおそる腰を下ろした。
「あなたも分かっていると思うけれど、この家の血を絶やすわけにはいかないの。」
義母の言葉が、重く、鋭く響く。
「あゆみさん、もし子供ができなかったら、離婚してもらいますよ。」
あゆみはその言葉に凍りついた。足元が崩れるような感覚に襲われ、視界がぐらりと歪む。まさかこんな話になるとは、思ってもいなかった。
「…そんな…」
か細い声が喉から漏れる。
「あなた、ここにいる叔父と交わりなさい。」
義母は容赦なく告げる。目の前の叔父は60代半ばで、どこか陰のある目をしていた。彼が子供を8人ももうけた男だという事実を、あゆみはその場で初めて聞かされる。
「彼は婿養子に出ているけれど、清宮の血なの。彼なら必ず妊娠させてくれるでしょう。」
義母の冷たい視線に、あゆみは絶望感を覚えた。清宮家の血筋を守るためだけに、彼女がこのような立場に追い込まれることが信じられなかった。月のものの周期まで聞かれ、彼らは勝手にスケジュールを相談し始めた。
「どうするかはあなた次第。ここにいる最終日の夜にここに来なさい。」
義母の言葉が突き刺さる。ちょうどその時、夫が風呂から上がる音が聞こえた。あゆみは急いで涙を隠し、義母の前から立ち去った。
夜、夫の隣で眠れないあゆみは、何度もこの家から逃げ出そうと思った。しかし、夫を置いていくこともできず、義母の期待に応えることもできない。揺れ動く心の中で、あゆみはただ自分の無力さを噛み締めていた。
翌日から、あゆみは義母と叔父からの重圧にさらされ続ける。義母はあゆみに冷たく当たり、家事の手伝いを命じる。叔父はあゆみに視線を向けることはなかったが、その存在自体が重くのしかかってきた。何も知らない夫は、のんきに過ごしている。その姿を見るたびに、あゆみの胸は締め付けられた。自分が夫を裏切る決断をするのか、それとも義母の期待を裏切るのか—どちらにしても、あゆみに待つのは苦しみしかない。
ある夜、あゆみは一人で庭に出た。涼しい風が顔を撫でるが、その心は凍えるように冷たかった。涙が頬を伝い、地面に落ちる。あゆみは天を見上げ、心の中で叫ぶ。
「どうして…私がこんな目に遭わなきゃいけないの…?」
夫のことを考えるたびに、胸が締め付けられる。あゆみは夫が大好きだ。夫と一緒に笑い、夫と一緒に未来を描いてきた。それがすべて壊れるかもしれない現実が、あゆみを追い詰めていく。

時間が経つにつれて、義母の圧力は増していった。叔父との関係を強要される中、あゆみは何度も拒絶した。しかし、義母は容赦しなかった。
「清宮の血を絶えさせるわけにはいかないのよ。」
義母の言葉が耳にこびりついて離れない。あゆみは夫に相談することもできず、一人で苦しみ続けた。ある夜、義母はとうとうあゆみを直接問い詰めた。
「明日が期限よ。早く決めなさい。」
あゆみは何も言えなかった。答えは、まだ見つからない。心が引き裂かれるような思いで、あゆみは義母の言葉を聞き流すことしかできなかった。
その日の夜、あゆみは涙を流しながら一人で過ごした。夫が隣にいるのに、こんなにも孤独を感じたことはなかった。最後の決断を下す時が迫る。あゆみは、夫の顔を見ながら一言も口に出せない。
最終日、選択を迫られたあゆみの心の中で、愛と屈辱、理不尽さが渦巻いていた。どちらを選んでも失われるものがある。あゆみはただ、心の中で震える小さな声を聞くしかなかった。そして、彼女がどちらの道を選んだのか、その答えはあゆみの胸の中にだけ秘められている。

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