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りり作品

いつまでも若く

無我夢中だった

篤志が実家に帰るのは、数年ぶりだった。久しぶりの田舎の空気は、東京での日々に慣れた体にはどこか心地よくもあり、同時に少しばかりの居心地の悪さも感じさせた。仕事に追われ、何年も帰ってこなかったが、だからといって地元に特別な未練があるわけでもな...
いつまでも若く

大人になったね

週末の夜、会社帰りにふと立ち寄ったバーのカウンターで、俺は一人グラスを傾けていた。ビルの窓には雨のしずくが流れ落ちている。天気予報では晴れだったはずなのに、夜になって突然降り出した。俺は傘を持っていない。帰るタイミングを逃し、ダラダラと酒を...
いつまでも若く

泊って行ってよ

会社を出ると、すっかり日が落ちていた。地方都市の夜は静かで、ビルの窓に映る光がなんとなく心細さを助長する。俺は深いため息をつきながら、スーツのポケットからスマホを取り出し、時間を確認する。——19時過ぎ。俺は一人で飯を食うのが当たり前になっ...
いつまでも若く

私は全て義父に奪われた

村瀬春香は助手席で静かに膝の上のハンドバッグを見つめていた。「もうすぐ着くよ」運転席の夫が穏やかな声で言う。今日は義父の伸一が60歳で定年を迎えるため、その祝いに帰省している。年に何度も訪れている場所だが、春香はこの家に近づくにつれて胸がざ...
いつまでも若く

本能のままに彼を求めて

私の名前は麻衣です。30歳、ただの平凡な人生を歩んでいる――ずっとそう思っていました。でも、私にはもう一つの人生があります。それは前世の記憶です。それも、あまりに鮮明な記憶を持っているんです。前世の私は「京子」という名前でした。私は中学生の...
いつまでも若く

大雪で、社内で二人きり

娘の佐千恵が、出産の為に私たちの家に戻ってきたのは、真冬の寒さが一段と厳しくなったある日のことだった。夫の康太君は仕事の都合でなかなか来られず、佐千恵は少し寂しそうだったが、私たち家族はできる限りのサポートをしていた。だが、佐千恵は突然早産...
いつまでも若く

ふたりきりのオフィス

夜の冷えた空気の中、玄関の前でポケットに手を突っ込んだ瞬間、嫌な予感が走った。「あれ…?」鍵が、どこにもない。慌ててカバンを開け、中身をひっくり返すように確認するが、やっぱりない。鍵の重さがないままスルリと通り抜けていく手の感触に、背中がひ...
いつまでも若く

婿の父がまさかの

「お母さん、話があるの」休日の午後、私は夜勤明けでぼんやりしながらコーヒーを飲んでいた。娘の麻衣子が、いつもと違う真剣な表情で私の前に座る。「どうしたの?」「……結婚したい人がいるの」私は一瞬、カップを持ったまま動きを止めた。「え?」「うん...
いつまでも若く

身も心も支えてくれた同僚

数年前に両親が次々と病に倒れ、ひと段落着いたところに今度は、妹夫婦が事故で亡くなった。気づけば、俺の隣には12歳の柚希だけが残されていた――まるで、すべてが崩れ去った後に差し込む一筋の光のように。俺の名前は勇樹、41歳。つい数年前までは、普...
いつまでも若く

訳あり

「ねぇ、あんた。結婚はしないの?」仕事を終えて帰宅し、いつものように缶ビールを開けた瞬間、スマホが鳴った。画面には「母」の文字。何の気なしに出ると、いきなりこの話題だ。「……なんだよ、急に」「だってもう36でしょ? 相手もいないの?」「いな...
いつまでも若く

妻公認の仲

玄関のドアが勢いよく開く音がした。俺はリビングのソファから顔を上げ、そこに立つ人物を見て息をのんだ。佐奈が、二人いる。「…ただいま」二人が声を揃えて言う。その声の高さも、言葉の間の取り方も、息の使い方すら同じだった。俺は目を瞬かせるしかなか...
いつまでも若く

知らない女

ピンポン。リビングでだらけたままテレビを見ていた俺は、不意に響いたインターホンの音に驚き、ソファから身を起こした。こんな時間に誰かが来る予定はないし、宅配の予定もない。少し警戒しながらモニターを覗くと、見知らぬ女性が立っていた。ロングコート...
いつまでも若く

妻の妹~妻の代わりに

フライパンの中でジュウジュウと音を立てる野菜炒めを見つめながら、俺は深いため息をついた。彩りだけは悪くない。キャベツ、人参、玉ねぎ、ピーマン、豚肉。見よう見まねでそれなりに切り、炒めたつもりだったが、味付けがまるでわからず、適当に塩を振った...
いつまでも若く

幼なじみで親友の嫁

新幹線の窓に映る自分の顔を、ぼんやりと見つめていた。生まれ故郷の三重県熊野市に帰るのは、一年ぶりだ。昨年、親友の岡田将生が病気になったと聞き、久しぶりに帰省した。あのときの将生は思ったより元気そうで、「お前、たまには帰ってこいよ」と笑ってい...
いつまでも若く

キャバ嬢の兄嫁の姉

「お兄ちゃんが結婚することになったよ」母からの電話を受けたとき、俺はちょうど昼休みの食堂で定食をかきこんでいた。「え、兄貴が?」思わず聞き返す。「そうよ。正樹がね、ついに結婚することになったの。相手はね、由美さんっていうの。とても素敵な人よ...
いつまでも若く

義理の母

「今日はうなぎなんかどう?旦那さんに精力付けてもらって」と、魚屋のオジサンが義母の美紀さんに声をかける。「何言ってるんですか、やめてよ」と美紀さんは、魚屋のオジサンと楽しそうに会話していた。彼女の笑顔には、俺の奥さんと勘違いされたことへの嬉...
いつまでも若く

妻公認の彼女

私たち夫婦が結婚したのは、30代後半になってからでした。マッチングアプリを利用して出会い、趣味や価値観の一致をきっかけに、自然な流れでゴールインしました。それまでの私は結婚に対して積極的ではありませんでしたし、妻の美香も似たような考えを持っ...
いつまでも若く

Wデートからの夫婦交換

私は、夫との関係に悩んでいます。レスという問題は、夫婦にとってきっと珍しくないものだと思うのですが、私にはどうしても割り切れないのです。私はつい先日40歳になりました。もう女として夫を満足させるには魅力が足りないのかもしれない、そんな思いが...
いつまでも若く

不倫旅行

平凡な日常の中で、私はずっと誰にも言えない秘密を抱えて生きています。それは、不倫。しかも5年もの間、元同僚だった後輩の彼との関係です。ただ、これまで一線を越えたことは一度もありません。キスだけの、本当にピュアな関係。でも、それが許されるわけ...
いつまでも若く

義理の息子との同居

「おかえりなさい、あなた」「ただいま」「さあ、ご飯にしましょう」私は昴さんと共にテーブルにつき、私の作った夕食を一緒に食べ始めました。焼き魚とおひたしと味噌汁といったシンプルなものですが、やはり誰かと一緒に食べるご飯はおいしく感じます。食べ...