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いつまでも若く

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私は全て義父に奪われた

村瀬春香は助手席で静かに膝の上のハンドバッグを見つめていた。「もうすぐ着くよ」運転席の夫が穏やかな声で言う。今日は義父の伸一が60歳で定年を迎えるため、その祝いに帰省している。年に何度も訪れている場所だが、春香はこの家に近づくにつれて胸がざ...
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秘密の時間

金さえあれば、何でも自由にできると思っていた。 俺は二十代の頃からFXにのめり込み、寝る間も惜しんで相場と向き合ってきた。時には大きく勝ち、時には絶望するほど負け、そうやって波乱万丈な日々を過ごしながらも、気づけばまとまった資産を築いていた...
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四十路

雨音が窓を叩き、部屋の中に微かな振動をもたらしていた。夜の静寂を破るその音だけが、二人のいるこの小さな世界を包み込んでいる。振り返ると、直美が僕の肩にもたれ、安らかな呼吸を繰り返していた。その表情は穏やかで、美しく、そしてどこか無防備だった...
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されるがままに

「本日から担当させていただきます。渡辺です」俺は、聞き覚えのあるその声に、思わず硬直した。嘘だろ――?ベッドに横になったまま、ゆっくりと視線を向ける。そして、目を疑った。ドアの向こうに立っていたのは、間違いなく4年前に別れた元妻、真由だった...
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本能のままに彼を求めて

私の名前は麻衣です。30歳、ただの平凡な人生を歩んでいる――ずっとそう思っていました。でも、私にはもう一つの人生があります。それは前世の記憶です。それも、あまりに鮮明な記憶を持っているんです。前世の私は「京子」という名前でした。私は中学生の...
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10年越しの返事

啓介は、その日、高校時代の唯一の友人、栄治から久しぶりにメッセージを受け取った。内容はたった一言だけ。「お前の分のタイムカプセルが出てきたから、郵送で送っといたよ」スマホを見つめたまま、啓介は息を呑んだ。タイムカプセル?そんなもの、全く覚え...
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大雪で、社内で二人きり

娘の佐千恵が、出産の為に私たちの家に戻ってきたのは、真冬の寒さが一段と厳しくなったある日のことだった。夫の康太君は仕事の都合でなかなか来られず、佐千恵は少し寂しそうだったが、私たち家族はできる限りのサポートをしていた。だが、佐千恵は突然早産...
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昼下がりの情事

昼休み、俺はいつものようにコンビニのイートインスペースにいた。 ツナマヨおにぎりと唐揚げ棒、それに缶コーヒー。簡単な昼飯だけど、営業の合間に食べるにはこれくらいがちょうどいい。 ぼんやりと窓の外を見る。視線の先には、公園のベンチにぽつんと座...
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ふたりきりのオフィス

夜の冷えた空気の中、玄関の前でポケットに手を突っ込んだ瞬間、嫌な予感が走った。「あれ…?」鍵が、どこにもない。慌ててカバンを開け、中身をひっくり返すように確認するが、やっぱりない。鍵の重さがないままスルリと通り抜けていく手の感触に、背中がひ...
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一緒に寝よ

夜の静寂を破るように、インターホンが鳴った。俺はソファで参考書を開いたまま、ぼんやりとその音を聞いた。こんな時間に、誰だ?スマホの画面を確認すると、夜中の 11時57分。「…まさか」心当たりは、一つしかなかった。ため息をつきながら玄関へ向か...
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婿の父がまさかの

「お母さん、話があるの」休日の午後、私は夜勤明けでぼんやりしながらコーヒーを飲んでいた。娘の麻衣子が、いつもと違う真剣な表情で私の前に座る。「どうしたの?」「……結婚したい人がいるの」私は一瞬、カップを持ったまま動きを止めた。「え?」「うん...
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「パパ」

カフェの窓際の席に座りながら、平山宗太は窓の外をぼんやりと眺めていた。小雨が降り出し、舗道のアスファルトがしっとりと濡れている。傘を差す人もいれば、慌てて駆け込む人もいる。寒くなってきたな、と思いながら、手元のコーヒーカップを持ち上げた。口...
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一夜の関係

一通のメールが届いた。 仕事を終え、いつものように缶ビールを開けた直後だった。 何気なくスマホを手に取り、 送信者の名前を見た瞬間、手が止まった。「田中恵子」 心臓が小さく跳ねる。指の動きが遅くなるのを自覚しながら、メールを開いた。「主人は...
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身も心も支えてくれた同僚

数年前に両親が次々と病に倒れ、ひと段落着いたところに今度は、妹夫婦が事故で亡くなった。気づけば、俺の隣には12歳の柚希だけが残されていた――まるで、すべてが崩れ去った後に差し込む一筋の光のように。俺の名前は勇樹、41歳。つい数年前までは、普...
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訳あり

「ねぇ、あんた。結婚はしないの?」仕事を終えて帰宅し、いつものように缶ビールを開けた瞬間、スマホが鳴った。画面には「母」の文字。何の気なしに出ると、いきなりこの話題だ。「……なんだよ、急に」「だってもう36でしょ? 相手もいないの?」「いな...
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親友の妹

「斉藤、頼む。ちょっと話を聞いてくれないか?」いつもの拓海からの電話。仕事帰り、疲れて自宅のソファでぐったりしていた俺の耳に届いたその声は、どこかいつもより切迫感があった。「どうした?なんかあったのか?」「いや、今回はちょっと別の話で」「別...
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妻公認の仲

玄関のドアが勢いよく開く音がした。俺はリビングのソファから顔を上げ、そこに立つ人物を見て息をのんだ。佐奈が、二人いる。「…ただいま」二人が声を揃えて言う。その声の高さも、言葉の間の取り方も、息の使い方すら同じだった。俺は目を瞬かせるしかなか...
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知らない女

ピンポン。リビングでだらけたままテレビを見ていた俺は、不意に響いたインターホンの音に驚き、ソファから身を起こした。こんな時間に誰かが来る予定はないし、宅配の予定もない。少し警戒しながらモニターを覗くと、見知らぬ女性が立っていた。ロングコート...
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妻の妹~妻の代わりに

フライパンの中でジュウジュウと音を立てる野菜炒めを見つめながら、俺は深いため息をついた。彩りだけは悪くない。キャベツ、人参、玉ねぎ、ピーマン、豚肉。見よう見まねでそれなりに切り、炒めたつもりだったが、味付けがまるでわからず、適当に塩を振った...
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運命の導き

「俺と結婚してください!」会場が一瞬にして静まり返った。あまりに突然だったから、俺自身も驚いた。けど、その瞬間、もう引き返せないと思った。言わなければ、このタイミングを逃してしまう。そう感じたんだ。彼女と目が合った時、頭の中に今までの全てが...